第16話
俺はごくりと息を飲んだ。
メイと目が合う。
やばい、凄くキスしてみたい。
夢だからいいのかな?大丈夫か?
そもそも夢だからそんな感触なんて無いよな?
ん?でも抱きしめてる感触はあるしな?
天国だからその辺もリアルなのか?
俺が悩んでいると、メイは不思議そうな顔をしていた。
「これは何処までが夢なんだろうか?」
「え?確かにイクリスと両想いなのは夢みたいだけど、ちゃんと現実だよ?」
成る程、現実なのか。
現実?
「え?ええっ?」
俺は思わずメイの肩に手を置いてぐいっと距離を置く。
「現実なのか?
俺は恥ずかしすぎて死んだのでは?」
メイはキョトンとした表情でイクリスを見る。
「イクリス、死んでないよ?」
「え?じゃあメイが俺を好きだと言ってるのは現実なのか?」
メイは少し恥ずかしそうに赤面しながら俺を見た。
「私はずっと前からイクリスのことが好きだったけど…。」
「そうなのか!?何故!?」
そう問われてメイは更に赤面する。
「何故って、それは、昔私が迷子になったのを助けてくれた後から意識する様になって…。
イクリスは優しいし、かっこいいし、ちょっと抜けてるところもまたいいなって…。」
それを聞いてイクリスまで顔が赤くなる。
「そうか、そうなのか…。」
これが現実だとはとても思えないけれど、本当に現実だと言うのなら。
「その、メイ。
俺と、結婚を前提に付き合ってくれないか?」
「はい、喜んで!」
メイはそう満面の笑みで答えた。
俺は頭が真っ白になった。
次の瞬間、体が勝手に動いた。
俺は、メイの唇に自分の唇を重ねた。
俺はパッと顔を上げて目を逸らす。
「ごめん、抑えきれなくて。」
「う、ううん、大丈夫。」
お互い顔が真っ赤になり、暫く沈黙が続いた。
それを影から、アイザックとメアリーは見守っていた。
「はぁ、やっと両想いになったと思ったら、兄貴手を出すの早いなー。
まあ何年も気持ちを溜め込んでたから爆発したんだろうな。」
アイザックは冷静に判断する。
「ねぇ、私たちもする?キス。」
少しいたずらっぽくメアリーはそう言ってきた。
アイザックは思わずドキッとしてしまう。
「何て冗談…。」
そうメアリーが言いかけるも、アイザックに口をキスで塞がれてしまった。
「挑発しないで。」
そう顔を真っ赤にしながらアイザックは答える。
「やっぱり兄弟だね。」
そう笑いながらメアリーは言った。
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