さくらねこ
ミケちゃんの左の耳の先は、Vの字に小さくカットしてあります。
この耳は「さくらみみ」といって、野良猫が不妊手術を受けて地域猫になった証しです。
桜の花びらに形が似ていることから、そう呼ばれるようになりました。
不妊手術から、3週間後。
ミケちゃんは再び病院に行って、さくらみみの手術を受けました。
ミケちゃんがさくらみみになった夜、やすらぎさんは初めて自宅のマンションに連れて帰りました。まだ、麻酔が抜けきっていないミケちゃんをすぐに外に出すのが心配だったからです。
やすらぎさんと奥さんがいっしょにいても、ミケちゃんは、お店とは違う見慣れない室内で一晩中鳴いて、落ち着きませんでした。チャコマロンちゃんの気配も感じていたのでしょう。
朝になって治療室に戻ると、やっと安心したようでした。
一般的に、地域猫のさくらみみは不妊手術の際に
ミケちゃんがやすらぎさんを信頼しきっているので、獣医師の先生はこの子はやすらぎさんが引き取るのだろうと思っていたからです。
しかし、夜はミケちゃんを治療室の外に出さなければなりません。
やすらぎさんは
当時は「再び麻酔をかけてまで、わざわざ、さくらみみにしなくても」「ミケちゃんが、かわいそう」という意見もありました。
あれから、ミケちゃんは色々なメディアから取材を受けるようになり、ツイッターのフォロワーさんも毎日増え続けています。やすらぎさんとミケちゃんを題材にした漫画家のにごたろさんの著作も出版されます。
外猫、地域猫だったときのミケちゃんを知らない、新しいフォロワーさんも大勢できました。
そのフォロワーさんたちに、ミケちゃんのさくらみみに気が付いてもらえれば、飼い主のいない猫、おうちのない猫、野良猫や地域猫のことを知って考えてもらう切っ掛けにもなります。
ミケちゃんのさくらみみは、天使の小さな翼なのかもしれません。
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