第9話ブラックスクラップ

「マスター、お代置いとくよ」


ミジュムウは紙幣を一枚カウンターに叩きつけて置く。


速足で表に出る。


マスターはやれやれという顔で、首を振る。



外に出るとはるか彼方の広場に宇宙船が降りてくる。


街中が大騒ぎになってる。


ミジュムウは宇宙船の方に駆け足で向かう。


宇宙船というより巨大な黒い廃墟といった方がいい。


ズシンと広場に根を下ろす。


その衝撃でミジュムウは体を後ろに反らしコンクリートに叩きつけられる。


街中が大騒ぎでサイレンがあちこちで鳴る。


マスター“ビーダ”が手を差し伸べてミジュムウの体を起こす。


「マスタービーダ、またあいつらの仕業なんですか?」


「今に始まったことではない、こんなことは日常茶飯事だ」


巨大な廃墟はウオンウオンと重い音を立てる。


2021(R3)3/24(水)

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