第33話 フレンド申請戦闘

 ~高瀬side~


 どのタイミングで連絡先交換したら良いんだろう?あの先輩には先を越されたくない……


 一年生の教室は3階、それに対して二年生の教室は二階。だから圧倒的にこっちの方が有利。


 第一の関門がいかに自然なタイミングで連絡先を聞き出し、尚且つ他の人に見られないようにするか。もし他の人に見られたら女の子たちとかに集られて目立って、三輪先輩にバレて、あちら側が攻撃の威力を高めてくるかもしれない。


 なるべくそういう事態は避けたい……


 コソコソして行動するにも、席は離れてるから嫌が応にも多少は目立つ。

 一体どうしたらいいんだ……



 すると前の教壇に学級委員長の笹川真緒ささかわまおが立って言葉を放った。


「すいません!昨日連絡するのを忘れたのですけど、今日の1時間目が始まる10分前くらいから席替えをします!入学してから大体一ヶ月くらい経ったと思いますので!あ、くじ引きで決めますねー!」




「「「やったーーーーーーーー!!!」」」


「さらばよ、愛園。」


「じゃあな、ライフ。」


「陽子ちゃん……」


「千佳ちゃん……」



 席替えに対しての反応は三者三様だ。


 小学校の頃の席替えって凄くワクワクして早く一ヶ月経たないかなってずっと考えていた記憶がある。別に隣の人が嫌だからとかいう理由じゃなくて、という行為自体が楽しかったのだろうと思う。



 それはそうと!


 この席替えはチャンスかもしれない。必ずしも近くになれるとは限らないけど、この作戦も使える時が来る可能性があるということ。


 さらに遠くに行っちゃう可能性もある。


 吉と出るか凶と出るか……ええい!こんな所でチキンになっちゃ駄目だ。今日こそは男らしく、構えておかないと!





 そして迎えた運命のくじ引き




「皆さん引きましたね?では引いた紙に名前を書いて、一旦その紙を回収しますね。」






 委員長の手元にきっと数字が書いてある座席表があって、きっとそれに集めた紙に書いてある数字と名前を照らし合わせながら決めていくのだろう。





 それから約一分後


「座席が確定したので左側の列の一番前から名前を言っていきますね。」


 ついに来た……!



「えーいきます。」


「愛園君、細井さん、湯川君、多田さん、瀬川さん。次二列目です。三堂君、渡邊君、手嶋さん……………」



 まだかな……?


「五列目いきます。松井君、宵闇さん、若林君、小嶋さん、高瀬くん。」



 呼ばれた……!平本君はまだ呼ばれてないからある程度席は近い事は確定した!



 でも……あわよくば隣がいいなあ、何て。



「六列目です。染井さん、名塚君、仁礼君、川島君、平本君。授業もあと3分程で始まってしまうのでテキパキ行動して移動してくださいね!」






 ……………やった。







 あ、用意しないと。





「おーい!俺また同じ席なんだけど!」


「おい~、けど後ろに細井さんいるぞ?」


「お、おい!言うな!」


「お前もう寝られないぞ。」


「そうだな~。」


「どうしてボクを選んでくれないんだろ……」


「ん?何か言ったか?」


「ううん、何でもないよ。」




 何か知らない所で色んな事があるみたいだ……


 僕だけじゃないみたいで少し安心できた。ずっとギチギチになってた感じがあったから……



「よ、高瀬。近づいたなあ。」


「あ…うん!そうだね!」


「んじゃまあ、よろしく。」


「うん、よろしくね!」







 ~平本side~


 何か今日……高瀬のテンションが高めな気がするぞ……


 やっぱり昨日何かあったんだ。普段は大人しい感じだったんだけどな。一体何があったんだろう。


 たまたま席も近くなった事だし詳しく話聞いてみよう……












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リハビリとか言っておきながら更新が遅くてすいません。不定期ですが。

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