第27話 やっぱり怖い

「平本くん!」


「ん、何すか?」


「これ!『ラプラスの魔法使い』!これ面白いから読んでみてよ!」


「おっ……結構分厚いタイプのやつですね…」


「確かに分厚いって思うかもしれないけど、西野さんが展開する独特の空気に飲まれて分厚いとか関係なくドンドン読み進めていっちゃうと思うよ!」


「ふむぅ……なるほど。」


「私の好きな物を平本くんにも知ってほしいっていう一心で……ダメかな?」




 ~虚空~







 ぶぉっぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!



 その瞬間、平本……いや、博大の中に新しい“何か”が現れた気がした。


 ギュン!!!!



「い、いやまあ、読ませていただきますよ!」


「ホント!?嬉しい……」



 ファー








 ***


 5時間目と6時間目の間



「なあ高瀬、この『ラプラスの魔法使い』っていうやつ知ってるか?」


「あ、ごめん…昨日ちょっと寝不足で今眠いから寝させてくれる…?」


「ああ…分かった。」




 放課後




「高瀬!帰ろ!」


「ごめん、家の用事で急いで帰らないといけないから、一緒には帰れない…かな?」


「じゃあ途中まで一緒に帰れるだろ?」


「っ……お、親が迎えに来てくれてるから……ごめん。」


「そうか…じゃあまた明日な。」


「うん…」






 ~高瀬side~


 無意識の内に平本くんを避けちゃってた。


 避けたくて避けてる訳じゃないのに。


 本能か何かが避けろって言ってるみたいに。


 嘘もついちゃったし……課題なんて残ってないし、寝不足じゃない、家の用事なんてない。勿論親の迎えも来てない。


 今正面玄関に行ったら平本君とバッタリ会って嘘つきってばれるから他の所に行かないと……


 図書室……きっと放課後だから三輪先輩はいない……はず。いたら場所を変える。





 ***


 やっぱり本がたくさんある場所は一時的に心が落ち着く。


 最近の図書室はPCも置いてるんだ……使ってもいいのかな?


「あ、パソコン使います?」


 眼鏡でスーツをかけた男性の司書さんに声をかけられた。

「あ…はい。」


「あ、じゃあこのシートに学年、組、名前と使用目的、使用時間を書いて生徒手帳見せてもらえますか?」


「わかりました。」


 パソコンで漫才やコントを見ることにした。






















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

少々短めです。

明日は時間が無さそうなので、登場人物の名前の由来でも書こうかな。

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