第20話 閑話「モンスター」

 喫茶店に行った翌日のお話です。



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 手嶋…マジでキャラ濃かったな…


 馬鹿話できるのはすごい好印象なんだけど、めっちゃ濃かったな…


「ちょっと平本、こっちきて。」


「んあ、何?」


「いいからこっち来いって言ってんだろ。」


「はい。」

 こっわ、手嶋こっわ。


 廊下の端に連れ出された。ぶん殴られるのか、俺は。高瀬に近づいたからぶん殴られるのか。


「ちょっと魅力的な提案があるんだけど。」


「な、何ですか?」


「ちょっとLIOE交換してください。」


「良かった、殴られるのかと思った。」


「は?何言ってるの?」


「高瀬に近づいたからぶん殴られるのかと思った。」


「自覚があるようだな。」


「やっぱ、俺はぶん殴られるんだな。」


「殴らないわよ。高瀬くんの友達に手をかける訳ないじゃない。」


「何だ、お前良識あるじゃん、怪物なのに。」


「それラストな。」

 ラストだってよ、良い奴じゃん。


「で、なんでLIOE?」


「日々、高瀬くん情報を私に教えてほしいの。」


「何でだよ、お前ずっと高瀬の近くにいるからそんな事しなくても大丈夫だろ?」


「流石にずっとはまずいかなって思って。けど、友達だったら全く疑われないでしょ?」


「まあ、そりゃあそうかもしれないけど。」


「でしょ?」


「うん。」


「ということで、高瀬くんがどんなこと話してたとか、どんなものが好きかとか、あわよくば写真とかあれば良いわね。」


「全部高瀬に確認とるけど良いか?」


「っ、い、良いわよ。しょ、肖像権があるものね。」


「プライバシーもな。」


「た、高瀬くんが許可したものだけで良いから送ってもらえるかしら。」


「高瀬は手嶋だったら大体のもの許可してくれると思うけどな。」


「え………ど、どどどどどういうこと?」


「高瀬は手嶋のこと『何か愉快で面白いけど信頼できそうな奴』みたいな認識だから。だから、高瀬は手嶋のこと割と信用してると思うぞ。事実お前は良識も十分にあるし、俺自身も信用していい人間だと思ってる。」


 だってそうだよな?手嶋って多分、高瀬がこの学校来てなかったら普通の女子だったと思うんだ。

 まあ要するに高瀬が手嶋の人生を狂わせたと言っても過言ではないと思う。本当に高瀬は悪魔だ、超小悪魔だ。小悪魔系だ。


「最後のお前のデレさえなかったら最高だったのに。」


「喜べや。」


「とにかく、交換おねしゃす。」


「頼み方ざっつ。」


 そうして俺はスマホのQRコードを差し出して交換を済ませた。


「頼むわよ。」


「わかってるよ。」


「あと一つ聞きたいことあるんだけど。」


「なに?」


「平本ってさ、私とのファーストコンタクトの時からタメ語だったけど、何で?他の人には敬語使ってなかった?」


「あー、何だろう。敬語を使うのに値しないって俺の本能がいってたんだろうな?」


「さっきラストって言ったよな。」


「あ」
















 手足の感覚が消えた。










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手嶋とフラグがたったように見えて一ミリもたってません。

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