第8話 照れ草越して照れ森
「おー、博大どこいってた?」
「野暮用ってやつだよ。」
「へえ。」
「うん。」
そして委員会の集まりの前日、水曜日になった。
「なあ、博大。」
「なに。」
「明日、カラオケでも行かねえか?他に男子連れて。あ、女子も連れていくっていう手もあるけど。」
「あー、いいよ。」
「オッケー!じゃあ、決まりな。高瀬も行くか?」
「あ、うん。行かせてもらうよ。」
「OK。他のやつにと声かけるわ。」
そういって、若林はクラスメートに声をかけにいこうとしたが…
「あ、ちょっと待て。」
「どした、博大。」
「明日の放課後、委員会の集まりだ。」
「え?」
「あれ?お前委員会所属してたっけ?」
「うん、図書に入った。」
「マジかー。まあ、いいや。お前ハブってカラオケ行くわ。」
「いや、言い方。そのハブるって言い方やめな。」
「やめぬ~😇」
「腹立つな。」
と、言って若林は声をかけにいった。
すると高瀬が
「本当に委員会入ったの?」
「うん、図書委員になった。」
そういえばこの一週間ちょいで大分高瀬とも打ち解けてきた。高瀬が俺の前で言葉がつっかえる事も無くなってきた。喜ばしいことだ。めっちゃ友達っぽくなってきたしな。
「そうなんだ…」
「どうした?」
「いや、一緒に帰れなくなるかもって思って…あ!」
「え、どうした?」
「いや、何でもないよ。気にしないで!」
いや、今一緒に帰れなくなるかもって言いました!?照れくさ!
こうして木曜日の放課後になった。
~高瀬くんside~
「いや、一緒に帰れなくなるかもって思って…あ!」
「え、どうした?」
確か水沼先生が一昨日ぐらいに
『美化委員やる人いないの~?委員会やってない人で勝手にくじ引いて決めるけといいの~?今度の水曜日の昼休みまでに先生に言いに来なかったら勝手に決まるからね~。』
って言ってた!
それなら、僕が美化委員になれば…
帰れる時間一緒になるかも!
「いや、何でもないよ。気にしないで!」
善は急げ、早く先生に言いに行かなくちゃ。
テテテテ(高瀬くんが小走りする音)
えーと、まずは職員室のドアをノックして…
コンコンコン
それで次は
ドアを開けて…
「し、失礼します。い、一年一組の高瀬です。水沼先生いらっしゃいますか…」
「ん?どうした高瀬くん?美化委員やってくれるの?」
「あ、それです…」
「OK、高瀬は美化委員っと…オッケー書類書いて生徒会に先生が出しておくから。明日の放課後にえーっと、美化は…生物実験室に集合だって。わかった?」
「あ、はい。わかりました…」
「ありがとうねー。」
「し、失礼しました…」
ふぅ、緊張した…
けど、これで平本くんと一緒に帰れる!
久しぶりに出来た友達だから…
一緒に帰りたいし…
~若林side~
「あ、手嶋~。お前もカラオケ行くか?」
「はあ?男と一緒にカラオケとか行くわけないでしょ?」
「あー、女子も何人か来るぞ?男子も全員行くわけじゃないし。」
「ふん、行かないよ。」
「マジかー。まあ、しゃあねえよな。」
「さっさと他の人誘ってきたら?」
「そうだな。えーと、今の所来るやつは…相園、工藤、瀬川、三雲、三堂、仁礼、細井、松川、高瀬、濱島…」
「私も行くわ。」
「へ?」
「私も行くって。」
「どうした急に、行かないって言ってたじゃん。」
「気が変わったのよ。別に良いでしょ。」
「まあ、いいけど。」
~平本side~
「じゃあな~、若林。」
「うぃー。」
「あ、そういえばお前カラオケで何歌うんだ?」
「ベタにピースサインとかLemonとか馬と鹿とか…」
「いや、米津縛りか。」
「まあ、いいじゃねえか。」
「また、機会があったら誘ってくれ。」
「おけー。じゃあ高瀬、あいつら待たせてるし行くか。」
「あ、ごめん。僕、美化委員会入ったから行けない…あ、ドタキャンしてごめん!」
「マジかー、まあいいよ。委員会だし、他にも行くやついるしね。また、機会があったら誘うしな!」
「ありがとう。」
「じゃあ、若林、いってくるわ。」
「僕も行ってくるね。」
「おう。」
俺、高瀬は委員会に若林たちはカラオケに行った。
「高瀬も委員会入ったんだな。」
「うん、平本くんと一緒に帰れるしね。」
「うおお、照れくさ。」
「へへへ。」
「笑わんといてえや~。」
「エセ関西弁は関西の人怒るから止めといた方がいいよ?」
「まじ?」
「うん。」
「やめとこ。」
「英断だね、あ、美化委員は生物実験室だか。じゃあね、図書は図書室?」
「お、そうだな。」
「うん、またね。」
「おう。」
そうして俺は図書室に向かった。
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