屍山血河の国
水城洋臣
屍山血河の国
胡人大虐殺
中華の北半分を
二十年以上も中原の覇権を握った国・
皇族である石氏は根こそぎ誅殺されたが、冉閔はそれに飽きたらず、漢人至上主義の名の下に、国内に住む全ての胡人を根絶やしにしようとしたのである。
軍を派遣して胡人の集落を襲い、逃げる間も与えず、命乞いすら許さず皆殺しにした。男も女も、老人も子供も、金持ちも貧乏人も、そこに一切の区別は無かった。
更に冉閔は国内の漢人全体がこの虐殺に加担するように仕向けた。胡人を殺した者に、その殺害人数に応じて金品や官職を褒美として与えたのである。
胡人は見つかり次第殺害されるが、例え漢人であっても長身で髭が濃い、彫りが深いなど外見が胡人に似ていたり、漢語に訛りがあるなど、ほとんど言いがかりのような理由で胡人と決め付けられて殺された。
また胡人を庇ったり同情的な態度を取ったなどの理由だけで、
殺されたくなければ、積極的に殺す側に回るしか道の無い地獄絵図であった。
最終的にどれほどの人が殺されたのか見当もつかないが、そこが街であれ荒野であれ、あちこちに切り刻まれた死体が転がり、もはや死体が目に映らない場所など無かったという。
そんな地獄を生んだ元凶である冉閔は皇帝を僭称して、国号を「
余談であるが、同じ
そんな魏の首都である
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