ポルターガイストは幽霊の仕業ではありません!

産まれてから暫く経ちました。ようやく、自分の置かれた状況が分かりました。シオン・フィリアスと名付けられた。最初は戸惑ったけど最近は慣れてしまったわ。それで、自分の名前に聞き覚えがあるなーと思っていたらハマっていたゲームの登場人物の名前と同じだと判明したのよ。まさか、ラノベ良くある異世界転生じゃ無くゲームの世界に転生かーと思った。まぁ、考えようによっては異世界転生だろうけど・・・神様に会った記憶が無いよ!?そして前の私は死んだのかな・・・最後の記憶無いよ・・・私は凹んだ。ああ、チートってあるのかなー


悪役令嬢ってヒロインのライバルだからスペック高いはず!チートが無くても断罪イベントまでに力を付けて地球の知識を使って内政や食事革命を起こそうか!取り合えず魔法って使えるのかな?


私は何となく念じて見た。すると身体の中から暖かい何かを感じて力が溢れ出てきた。おおお!ポルターガイストが起こったぞ!成功か!?


「きゃぁぁぁああ!!!!」


ちょうど部屋に入ってきた侍女さんが悲鳴を上げた。ヤバイ!えっ?えっ?どうやって止めるのよ!?

私も軽くパニックになった。わーん!まだ動き廻れないしどうすれば良いのよ~


そんな時、お父さんとお母さんがやって来た。おっとこの貴族世界ではお父様とお母様だったわ。ってかどうでも良いから止めて~


「これはシオンがやっているの!?」

「魔力が高いとは思っていたけどここまでとは!私が行く。お前達は入口で待ってなさい」


お父様はポルターガイストで小物やスタンドが空中に浮かんで飛び交う中、物が当たってもお父様は私の所までやって来て抱き抱えてくれた。そして私をあやしながら優しく撫でてくれた。


「もう、大丈夫だからな。ゆっくりお休みなさい。」


私はお父様の優しい声に安心し、意識を手離した。すると浮いていた物は同時に床に落ちた。


「カイン!シオンは!?」


「大丈夫だ。眠っただけだよ」


「しかし困った事になった。稀に魔力の高い子供でこの現象は確認されているが、また同じ事が起こるかも知れない」


「それなら1つ良い方法があるわ。昔使っていた私の魔法具を使いましょう。魔力を抑えて魔法を制御しやすくする効果があるわ!」


「よし、それで行こう!全く誰に似たのか将来が楽しみだな」


「うふふ、そうね。私達は優しく見守りましょうね」


こうして、思い付きで発動したポルターガイスト事件は解決したのだった。その後、お母様の魔法具を着けてもらい、実はコソッと魔力を使おうと試して見ると、前回と違いコツを掴んだのと魔法具のお陰で、魔力の流れの確認から魔法を使う事が出来るようになったのだった。

生前ではあり得ない力に、楽しくていつも力を使い果たしてぐっすり眠るので、お母様や侍女さん達は手の掛からない赤ちゃんだと認識された。結果オーライ!



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


産まれて1年過ぎました!


最近、私の廻りにプカプカ浮かぶ光の球体が来るようになった。漸くハイハイヾ(・ω・ヾ)出来るようになったので光の球体を追いかけようと動き廻る。球体に触ると暖かく湯タンポみたいな感じでゴムボールみたいな感触がした。うむ、これを量産したら売れるぞ!と、よく分からない事を考えていると、待たしても─


「きゃぁぁぁああ!!!!」


部屋に入ってきた侍女さんが悲鳴を上げた。

デジャブを感じるのは気のせいだろうか?それにしてもこんなに可愛い?(疑問系)便利な生物?(疑問系)謎の物体?(疑問系)を見て悲鳴を上げるなんて失礼な!私はプンプンですよ?と、すぐにお母様がやって来た。お父様は仕事で外出中~


「今度は何があったのかしら?」


お母様は私の体質を知ってから動じなくなりましたね。


「シオンお嬢様の部屋に知らない光る球体があって、お嬢様が球体と戯れているのです!」


侍女から話を聞いたお母様は私の所までやって来てにっこりと笑った。


「あらあらまぁまぁ!?これは精霊ね!精霊になつかれるなんて流石はシオンね~」


お母様の言葉を聞いてびっくりした侍女とわたし!(私もびっくりだよ!)ちょっと考えれば侍女さんが、部屋に知らない光る物体が大事な?子供の部屋にあれば驚くよね。私もどこから侵入したのか失念していたよ(簡単に入って来れたら私、いつでも拐われたり殺されたりしちゃうよね!?全て、魔法の世界だから何でもありの考えを改めなければ)


「奥様、精霊でございますか?」


「ええ、そうよ。しかも光輝く球体だから光の精霊で間違い無いでしょう。火なら赤、水は青と色が大体決まっているのよね」


「それはお嬢様の魔力が高いからでしょうか?」


「それもあると思うけど、精霊は気に入った人にしかなつかないのよ。シオンは光の精霊に好かれている見たいね。多分、魔法属性が光の可能性が高いわ!5歳になった時の判別の儀式が楽しみね!」


この世界では5歳になると特殊な水晶を使って魔法属性を測る習わしがある。例えば火の属性持ちとなると火属性の魔法が得意となる。持って無い属性魔法も使える事は使えるが、威力が極端に弱くなり修得にも時間が倍以上掛かる。故に、大抵の人は自分の属性魔法に注力するのだ。


「奥様、光属性は・・」


侍女さんが口ごもるのも無理は無い。光属性持ちはかなりのレアなのだ。国にでも50人いるかどうからしい。しかも近年は全く現れず光属性持ちの高齢化が進んでいた。光属性は水属性と同じ回復魔法があるのと、病気に効く魔法があるため重宝されているのだ。水魔法でも回復系はあるが、怪我を治す以外だと毒の除去ぐらいしかなくやまいに効く魔法は光魔法のみとなっている。


「これは、シオンの将来が決まってしまうかも知れないわね」


お母様が少し寂しげに呟いた。そして光の精霊さんは害が無いと言う事で、正式に私の遊び相手で部屋にいる事になったのだった。帰って来たお父様も驚いていたよ。でもシオンだからなーと言う呟やきは聞き逃さなかったよ!


解せぬ!



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【後書き】

愚者の声

「シオンお嬢様も(まだ)可愛いですね。これからの(成長)楽しみです」

シオン

「何やら伏せ字になっていない感じがするのですが?」

愚者の声

「ギクッ!いやいや、そんな事は無いデスヨ?」

シオン

・・・ジー

愚者の声

汗がダラダラ・・・


シオン

「罰ですわね。飛んで行きなさい!」

ポルターガイスト!!!!


愚者の声

「ぎゃぁぁぁあああ!それは魔法じゃ無いよーーーーー!あーれー!!!!」


シオン

「ふ、ルー○見たいに飛んで行きましたわ」


では、次でお会いしましょう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る