第63話 第四話 その24 がっくり…
「と言うのは…ペットの事です!」
「ぺ?………‥ット?‥‥‥‥ズコオオオオオオ!」
ちゅん助は空中で後方3回転ぐらいした後、複雑な捻りを加えて頭から落っこちた。コイツのコケ芸も、さらに磨きがかかってきたように見えた…
「あーっははははははははっは!あ~~~~っはっはっはははははははは!wwwwwwwwwwwww」
「あーあーあああああ~はっはっはっはははははははーーーーーーーーーーーー!wwwwwwwwwww」
「ピュッピューぴゅぴゅぴゅのぴゅ~wwww」
「ポッポポポのポッポオオオ~wwww」
少女と風と炎が、吹き出す感情を抑えきれず大笑いを噴出させていた。
大爆笑!!!!!あんど大爆笑!!!
「あーあー可笑しい、あー可笑しい!」
「なによ!何が常勝?不敗?あ!神獣だっけ?」
「不死鳥?」
「手乗り文鳥がいいところだっぽーーーーーーーーーーーーーーーーーw」
「邪神っぴゅ!邪神ピュ!」
「小鳥さんに世界がほろぼされるーーーーぴゅ!!!w」
「あーも駄目!もーだめ!あんた!」
「ただのペットてwなにそれ~!おもしろ!」
「面白すぎて殺すつもり!?ああああ~w」
少女達は仰向けになり、うつ伏せになりゴロゴロとして両の手足をバタバタさせたり、床を叩いたりして大爆笑を続けた。
当のちゅん助だけが、わなわなと震え赤くなったり青くなったりしていた。
「あーwあーwおかしいw」
「あれだけ散々大口叩いといて、天令がペットなんてw」
少女はぽこんぽこんとちゅん助を小突き回し、ちゅん助はあまりの結果に呆然となって、されるがままになっていた。
「あーwあーwぴよぴよちゃん可愛いでちゅねー可愛いカワイイペットでちゅね~」
「だっこしてあげまちゅよ~ピヨピヨちゃんw」
「ほーらピヨピヨちゃんの大好きなおっぱいに抱かれてよかったでちゅね~」
「ほーらナデナデしてあげまちゅよ~ピヨピヨちゃんw」
「おっおっおっwペットだけあってとお~っても触り心地いいでちゅね~ナデナデw」
少女はちゅん助にいいようにやられた仕返しとばかりに、容赦なくちゅん助をペット扱いしたりちゅん助の真似をしてますます馬鹿にする。
「ピヨピヨちゃん!いっぱい殴ってごめんね?ペットだなんてペットだなんて私、私…」
「知らなかったんだお~w許してクレメンス、ぶわ~はっはっはwあー可笑しいw」
少女の胸の中で、今までなら大喜びで抱き付いていたはずだが、三本の毛もだらりと垂れて、惨めなくらい全くそのそぶりもない。
これは…これはかなり堪えたらしい…
「ん?ん?ぴよぴよちゃん?なに?なに?どうしたの?」
「あ!ピヨピヨちゃん!ママでも恋しいんだ?」
「おっぱいでも吸いたいの?吸わせてあげよっか?」
「って!」
「吸わせるか!」
「ば~か!wアンタみたいな糞変態!」
「死んでもお断りだっての!あ~はっはっは!」
「ぴゅーぴゅっぴゅw!」
「ぽぉーぽっぽw!」
少女はちゅん助を投げ捨てて、再び仰向けになって手足をバタバタさせ笑い転げた。
「あーwあー可笑しいw」
「も、もうだめwもうらめぇ~w」
「これはらめぇwガクガクwガクガクしちゃう~w」
「もーらめぇwお腹痛いwお腹痛い~」
「もうらめっぴゅうw」
「ガクガクだっポw」
三人はよほど面白かったらしく、その大爆笑はとどまる所を知らなかった…
少女達の爆笑を尻目に、ちゅん助がトボトボと出口から出て行った。
その後ろ姿は、がっくりと肩を(いやちゅん助の体に肩があるか分からないが…)落とし、毛は垂れ、小さい体がさらに小さく見える哀れ過ぎる姿で、その姿が遠ざかりつつあった。
掛ける言葉が見つからないとは、まさにこの事だ…
(ま、まさか…ぺ、ペットとは…)
「あ~!wひぃ~w」
少女達は出て行くちゅん助に気付かず、まだ笑い転げていた。
「お、おい…」
俺は堪らず少女達に声を掛けた。
「?」
三人は俺の呼びかけに気付き、こちらを見た後、俺が指差す方向に視線を向けた。
「あ…」
そこには、うな垂れてしょんぼりといった感じのちゅん助が、遠ざかる後姿だけが見えた。
俺は複雑な表情を浮かべるほかなかった。
「ま、まずかった?」
「ぽ?」
「ぴゅ?」
「いや…」
第四話
その24 がっくり…
終わり
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