第49話 第四話 その10 再会
「ゆるせんお!ゆるせんお!あの女ゆるせんお!」
「許せんって、お前が何回もやらかしたからこうなったの理解してる?」
「ゆるせんお!ゆるせんお!」
「あのルックスと最高の乳と最強のケツの組み合わせ!」
「まさしく罪w!」
「しゃぶり付きたいな!美少女!」
「そっちかよ!!!」
「こっちは身ぐるみ剥がされて大変だったんだぞ!」
「だからおまえは助けてもらったんだから」
「端金の通信石と服だけで済んで良かったではないか?」
「おまけに…」
「下半身はしょんべん漏らして…」
「わーわーわー!それ以上言うな!コイツ!」
経済的に再びスタート地点に戻ってしまった俺達は、ガリンの教会の保護を受けて、ささやかであるが十分な朝食を恵んでもらっていた。
こういう場合の教会のシステムは、本当にありがたい。
「次会ったら、どうしてくれようかお!」
「二度と顔見せるな!って言われたんだぞ…」
「い~や!あの女!強盗なんだお!」
「わしの通信石!嫌がるわしをあんな目に遭わせて無理やり奪うなんてひどいお!」
「いーや、自業自得だったろ…」
「だまるお!」
「とにかく今度会ったらただではおかんお!」
「後ろ手に縛ってあらゆるエロ漫画で鍛えたわしの超絶テクと!容赦ない言葉責めでっ!」
「うっほっほっほw考えただけでっおっおっおっおっw」
テーブルの上で仰向けになってビクンビクンと、ちゅん助がなんだかとっても卑猥に痙攣している。
「また逆にぶたれるだけやぞ…ボコボコにされといてよく言うな?吉〇新喜劇か?」
「だまるお!あの程度の腕前!ちょっと油断しただけだお!」
「あっという間に捕まって通信石召し上げられて今、このザマだろうが」
「だまるお!」
「あれはわざと捕まってやっただけだお!」
聞き飽きたちゅん助の負け惜しみである。
「それより!イズサンも聞いたやろ!あの子の声!」
「声?」
いつものようにちゅん助の話が脱線を迎えたようだった。
「おまえわからんのか?」
「あの子の声、峰ちゃんそっくりやったぞw!」
「まった峰ちゃんかよ…」
「こっちは叱られててそんな事、気にもしてねーよ」
「だいたい最初っから怒ってたし、お前が余計に怒らせたせいですっごく荒っぽい声になって怖かったぞ!」
「でもまあ言われてみると確かにお前に無理矢理見せられたアニメの美少女キャラの声に似てた気はするが…?」
「だからおまえは二流のエロ師だというのだお!」
「あんな魅力的な声の判別もつかんとは!あの強気声からの~」
「あ、ダメ!くっ!私は絶対こんな事で!イヤ!そんな事、うぐ!こんな事って!」
「ガクガクしちゃう~w」
「もうりゃめえ~!」
「いいえ!まけるもんですかッ!でも!アッ!?」
「みたいな~!展開が一番燃えるんやぞ!」
「分からんわ…」
「エロスギィ!」
「ではいかんのや!」
「エロスギィw」
「やで!そして、しても無駄な抵抗を延々と!」
「こうでないとww!!!」
「ますます分からんわ…」
「ふっ二流のエロ師には違いがわからんかお…」
「ちなみにこの分野で峰ちゃんの敵はおらんお!」
「二流とかあるのそれ…」
「あるお!」
「特級エロ師のわしの目に狂いはない!」
「エロとは見た目だけに非ず!見た目、触り心地、声、臭い、味!」
「五感全てを刺激する!一つも欠ける事は許されないお!」
「お前まさか嗅いでたの…?」
「クンクンだお!クンクンだお!」
「舐めたりしてない…だろうな?」
「ペルペルだおペルペル!と、言いたいところだがそれは次回!」
「ちゅん助お前変態だな…」
「フンハッ!大和男子拳法で言うところの変態!」
「変態を日常と成すことが大和男子!」
「そ、ソイツはひでえ…」
「にしてもあの子、めっちゃいい匂いしたンゴ~w」
「こっちは死の臭いがしたってのに、お前ときたら…」
「決めたお!わしはあの子を嫁にするお!」
「は!?アホか!二度と顔見せるなって言われたの!嫁になんかなるか!」
「ならパーティーメンバーにするお!」
「顔見せるなって言われたの!」
「向こうからやって来るのは構わんのだお?」
「来るわけないだろ!来るわけ!」
「ふっwそれは分からんぞ?」
「今頃向こうはわしを追い求め探し回っとる鴨試練!」
「ねーわ!」
「むふふだおw再びあの子と相まみえる事あらば!」
「絶対に!」
「も、もうダメ!お願い!これ以上耐えられない!」
「許して!許して!もうらめ~~!」
「的な!エロ声!絞り出させてやるンゴw!」
「ぶわーはっはっはっはっはw!」
ガシッ!
「!」
「誰に何を絞り出させてやるですって?」
テーブルの上で有頂天にになって妄想を垂れ流してるちゅん助の頭を、不意に鷲掴みにする人物があった。
「やっと見つけた!」
「まさか!」
その人物はあの美少女であった。
ちゅん助は自分勝手な妄想で俺達を探してるかもしれない!などとほざいていたが、その口ぶりと様子から少女は明らかにちゅん助を探し回っていたようだった。
表情は険しくまだ怒っている様な…
「アスカ~!戻ってきてくれたお!やっぱりわしが忘れられん…ぐえぇ!」
ガシ!
グシャ!
いつの間にか少女の手を抜け出し、三度少女の可憐な胸に抱き付こうとしたちゅん助だったが、その手は喰わじと寸前でちゅん助を捕らえた少女はテーブルにちゅん助を乱暴に押し付けたのだった。
「グエエ~!く、くるしい~」
テーブルの上で潰れそうな形にまで変形したちゅん助が、手足をじたばたとさせる。
「あんたらいったい何者よ!?」
「わ、わしはおまえの夫となるおと…ぐえええ!」
ちゅん助では話にならじとより強く机に押し付けると、少女は俺に視線を向けた。
「何者かって聞いてんの!」
第四話
その10 再会
終わり
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