第46話 女の影?

僕の職場は8割が男性で女性はごく少数であり、僕の部署には24歳の女性Mさんがいる。

その人は大変綺麗でスタイルも良い高嶺の花的存在である。


その人と僕はそこまで仲がいいわけではなかったが、とある仕事の一件を僕たちが任せられたことで会話も増え、LINEを交換した。


頻繁に連絡を取るわけではなかったが、仕事の話やプライベートの話なんかをたまにしていた。


そこにもちろん恋愛感情なんてものはなく、いち同僚として連絡を取っているに過ぎなかった。


しかし、僕の妻は勘ぐっている。


「最近なんか楽しそうにスマホいじってるけど、何やってるの?」


『いや、LINEしてるだけだよ。』


「誰と?」


『誰とって、職場の人と。』


「職場の人?S君?」


『いや、違うけど。』


「ふーん。」


別に隠すつもりはなかった。でも女性とLINEしてるとハッキリ伝えれば面倒くさいことになりかねないと思って適当に誤魔化していた。


僕たちは相手のスマホを勝手にいじったりしない。お互いを信用していたからスマホにロックをかけることもなく、自由に見る事ができる状況だった。


とある日、こんな家具があるよ〜とスマホを妻に見せていた時、LINEのバナー通知が届いた。



〈今度〇〇のラーメン食べに行きましょー〉



Mさんからだった。

仕事の案件でお昼ご飯をどこにしようかと話していたことに起因するLINEの返信であった。


これを見た僕らはフリーズ。


決してやましいことをしているわけではないのだが、女性とLINEしていることを妻にバレてはまずい気がしていた。


妻のフリーズは一瞬だった。


「なにこれ?」


『これは職場のMさんで・・・』

「浮気してんの?」


『いやいやいやしてないよ!』


「ラーメン食べに行くんでしょ?いつ?」


『お昼だよ!仕事のお昼!』


「ふたりで?」


『今ふたりでやってる案件があってそれで!』


「見せて。」


『え?』


「LINE全部見せて。」


『えっ、うん。いいよ。』


もちろんやましいLINEなど無く、業務連絡やたわいもない雑談しかない。


「本当にこの人と何もないの?」


『ないない!ただの後輩だよ!』


「ふーん。」


『本当だよ!ちょっと美人な後輩ってだけ。』


「あ?」


火に油とはこの事だ。


いつも余計な一言をしてしまう僕だった。

この後正式に誤解は解けたものの、隠れて?他の女性と連絡なんて取るもんじゃないと思ったのである。


質問:女の影?

結論:本当に僕はやっていない。

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