第7話 今晩はカレー?シチュー?

夕食は至福の時間である。

仕事の疲れを癒し、腹を満たす妻の手料理は毎度感謝である。


『今日のご飯なにー?』


「今日はカレーだよー。」


『カレーか。俺シチューの方が好きだなあ。』


何気なく口から出た。全く意識的なものはなく、何も考えず出たひと言だった。

だが、そのひと言が妻のハートに火をつけた。


「絶対カレーでしょ。シチューがカレーに勝つとかありえないんですけど。」


『日本人はカレー好きだよねー。俺も嫌いじゃないけど、カレーよりシチュー派。』


「今日のカレーが嫌だって言いたいわけ?人がせっかく作ってるのに?イヤミ?」


『違う違う。カレー派とシチュー派の論争って昔からあるでしょ?俺はシチュー派ってだけ。』


「だ、か、ら!それがイヤミか?って聞いてんの。普通カレー作ってる人に向かって俺はシチューが好きだって言うか?無神経にも程がある。」


『そんなつもりじゃ・・・』


「まぁ、夫の好き嫌い関係なく私は好きなものを作るけどね。」


『うん。そうして。』


「私は料理長ですからね!ふん!」




『ハヤシライスも旨いよね。』


「テメー喧嘩売ってんのかゴラァ!!」



質問:今晩はカレー?シチュー?

結論:食事の好き嫌いの話を料理中にするのはやめよう

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