第3話 自宅待機処分
自宅待機と言っても現場作業員の俺は、デスクワーク系の仕事は殆ど無い。
たとえ有ったとしても、コンプライアンスの関係で、業務に関するデータは持ち出す事が出来ない。
本当に家に居るだけで有る。そして、無給の休暇で有る。
自宅待機でも本来は給料が出るらしいが、会社の就業規則に無給の自体待機が出来ると定められているため、俺の場合は無給で有る。
流石にどこか出かけると、バレた時にはクビ確定に成るので、大人しく自宅待機を守る。
自宅待機命令を受けてから3日目の午前中……。会社から一本の電話が入る。
電話の相手は女性事務員からで、処分が決定したので、今日の午後3時に会社に来て欲しいと、事務員さんから電話を貰う。
その時間に間に合うように家を出て、午後3時前に会社に着く。
俺は事務所に入ると、事務員さんが声を掛けて来て、所長が『早見君が来たら、会議室に向かうように』と言ってくる。
事務員さんにお礼を言って会議室に向かう。事務所の少し行った先に会議室が有る。
会議室の扉をノックして、応答が有ってから会議室に入る。
会議室の中には、恐らく本社から来た人達が2人居て、そして斉藤所長が椅子に座っていた。
俺は『どんな処分が下ったんだろう……』と
所長に椅子に座るのを促されてから、俺は椅子に座る。
本社の人は総務・管理部の人らしく、いよいよ俺の処分結果が下される時が来た……
……
俺に下された処分は二週間の自宅謹慎処分だったが、同時に退職勧告もされた。
俺が自宅謹慎処分を受け入れて、謹慎が明けても、俺が元居た職場には復帰出来ないらしい……
上司の西岡が、俺の職場復帰を拒否した可能性が有るが、ここでは何を言っても無意味で有る。
居場所の無くなった俺は、他の部署への異動や他の事業所への転勤に成るが、所長は『出来れば、退職を申し出て欲しい…』と自己都合退職を勧告してくる。全く俺を庇う気皆無の所長で有る。
俺は絶体絶命の選択肢を迫られた……
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