迷子のJKさん
九太郎
迷子のJKさん
俺は出会い、その子に目があってしまった、今日は飲み会の帰りで軽く気分が高揚していた。
「ねぇ…おじさん…今日泊めてよ…」
「……………はぁ?」
突然の事に俺は判断が遅れた、目の前にいる子は高校の制服を着ていて髪染めやピアスなど見た目を遊んでなく、まじめでおとなしい見た目の印象だった。
「と、突然何を言い出すんだ」
「別にいいでしょ、おじさんだって嬉しいでしょ」
「そんなことはあるわけないだろ…他をあたってくれ」
そのまま横通り過ぎようとすると彼女は軽く通せんぼをする
「別に一日くらい、いいでしょ!!」
「言い分けないだろ!!」
誘惑には絶対に負けてはならない、一歩間違えば犯罪だ。
「ともかく俺にかまわないでくれ、じゃあな」
「あっ…」
彼女の驚いた顔を横目に俺は走った。
「はぁはぁはぁ」
余り最近は運動をしていなかったからすぐに息が切れる。
「まてーーーー!!」
「!?」
走ってきた方向から先程の女子高生が走ってくる、”早い…”そう思い、簡単に追いつかれる。
「はぁ…はぁ…意外と早いんだな…お前」
「フーっ、ちがうよ、おじさんが遅いだけだよ」
俺がそこまで体力が落ちていたことに軽くショックを受ける。
「ともかく泊めてよ、泊めてくれるまでどこまでも追いかけてやるから」
「…………」
もはや逃げ場はなかった…
_____
自分の家の鍵を開ける、いつもならここでくつろいで体を休めるのだが…
「ふ~んここがおじさんの部屋?」
子の女子高生が来て、俺の安らぎ場所は崩壊したのだ。
「何もなくない? 流行りの断捨離でもしてるの?」
「もともと何もないよこの部屋には」
「へ? こんな何もない部屋に住んでいるの?」
余計なお世話だ……
「おじさんの年齢で無趣味ってむなしくない…?」
「ほっとけよ…後、俺はまだ20代だ」
「嘘!? それで!?」
本当に失礼だな…コイツ…
すると彼女は突然、上着を脱いで、Yシャツ姿になっていた
「お前…!! 何をしているんだ!!」
「何って…あんただってこのために私を家に連れてきたんでしょ」
「違うって言っているだろ!!」
服に手をかけた彼女を止めるために強引に彼女の腕をつかむ、すると…彼女は震えていた。
「お前…怖いのか…?」
「…………!!」
彼女は突然泣き出し、大声をだして暴れる。
「どうして…! あなたも…!!」
「おい!! お前…どうしたんだ!?」
「あんたまで、私を否定するの!!」
「ほんとにどうしたんだよ…やめろ!!」
「私なんて…私なんて…‼」
俺は暴れる彼女を止める…でも泊めてる間もずっと自分の事を悲観していた…
少し落ち着いたところで、彼女に何があったのか気になった俺は彼女に理由を聞いてみた。
「私…何もないの…」
「うん?」
「学校の進路調査でね、先生に心配されたの…私の成績…そんなに良くないって、だから私もあせって勉強をしたの
でもねいくらやっても成果が出ないの…むしろどんどん成績が落ちて、そしたら両親も私に対して何度も攻めるの怒られても仕方なかった…けど…何度も怒られて…私…つい怒っちゃって家を出ちゃって…」
「……」
「私…夢がないの…勉強だってできない、私には何もない…何もできないの!!」
「……」
「わからない…夢って何? ないと駄目なの? わからない…苦しいよ…」
「…」
「だれか…助けてよ…」
「黙れーーーーーーーーーーー!!!」
「⁉」
俺は彼女に怒りを感じて怒鳴る
「自分が何もないって⁉ 当たり前だろ、何もやってこなかったんだ」
そして何より自分に似ていて何よりも腹が立つ!!
「本当に努力したのか!? やったことに満足して十分に努力していないんじゃあないのか? 何もわからない?当たり前だろ!!誰もが100%の答えなんか持っているわけないだろ、そんなことでめそめそ泣いているんじゃあねぇよ!!」
「そ、そんなことって…!!」
「でもな…お前が必死に前へと進もうとしていることは素直に凄い事だ、お前は早く気づけたから何度もだってやり直せる…だから」
俺は息を吸って次の言葉を吐く
「俺を悪い手本にしろ!!」
「……はぁ? あなた何を言っているの?」
……そういうと思っていたよ…けどな
「あははっ…馬鹿じゃないの…あんた…フフッ」
お前が元気なって何よりだよ……そして俺はそのまま彼女を一晩泊めた…
_____
「泊めてもらってありがとうね」
「ああ、もう大丈夫か?」
「うん…何とかね、まだわからないけど…もっと頑張ってみようと思う」
「そうか」
そうして彼女は歩きだしてゆく…
「ありがとうね!! おじさん!!」
おじさんか…たくっ…
「俺はまだ若い!!」
迷子のJKさん 九太郎 @Ninetarou
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