第2話

 また、崖だった。

 いつもこうなる。だいたい、追いつめられると崖。


「ドラマじゃねえんだから」


 ひとりごと。ひとりでいると、いつも出てくる。誰かといるときは喋らないくせに、ひとりきりだと饒舌じょうぜつ


「どうしようかなあ」


 崖。そこそこ高い。手持ちでぎりぎり降りられるだろうか。


「なんでこう、毎回いつも」


 崖なのか。

 とは言いつつ、崖を降りればだいたい追っ手はける。崖が便利なのもまた事実だった。


「よし」


 何回も降りたり上ったりしてるから、もう躊躇ちゅうちょとかはほとんどない。降りるか登るか程度の迷いだけ。今回は、降りる。


「よいしょっ」


 空に。向かって。跳ぶ。

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