大人も子どもも理知的に〜「5秒で見破れ! 全員ウソつき」

今回、紹介するのはマイナーな本ですが、これがめちゃくちゃ良書です!


「5秒で見破れ! 全員ウソつき」(朝日新聞出版社・田中智章(著))


発売は2022年2月。つい最近。

私が児童書コーナーで立ち読みをしていたときに、ビビッ!ときて買いました。

(だいたいこのパターンです。)


これはいい! 面白い!

大人が読んでも子どもが読んでも、理知的ですごくためになる!


さっそく長女に読ませたところ、1日で完読しましたよ。

その次に出た言葉が、


「続きはないの?」


反応がとてもよかったです。思ったとおり!

続きはまだ出ていません。続刊希望いたします!


この本の内容は「ウソを見破る」です。

ちゃんとした物語ですが、途中で問題が出てきます。お話とゲームが混ざったような形式です。


主人公のシンとカラスのクロは、ウソつきばかりがいる島に漂流しますが、そこで出会う人々が、ウソを吹っかけてくるのです。


最初に出会った住人はチャランとポランという兄妹ですが、こんなウソを吹っかけます。

液体の入ったびんを持って言いました。


「これは、天才発明家からもらった、なんでも溶かす薬さ!

 これさえあれば、どんなものも、あとかたもなく溶かしてしまうんだよ!」


さあ、どこがウソでしょう?

序盤なのでネタばらしすると、


なんでも溶かす液体は、びんも溶けてしまうってこと!


そんな薬は存在しないということです。


いかがでしょう? よく考えればおかしいのですが、納得しそうになっちゃいます。


さらにはもっと難しい数字トリックもありますよ。もう1問。

ゼニハラという社長さんが、クッションシートを紹介します。


「定価のお値段から、30%引き。

 さらに今なら、そのお値段から20%引き。

 合計50%引き。

 なんと元の値段の、ちょうど半額ですよ!

 ぜひこの機会にお求めください。」


さて、どこがウソでしょう?

自分の頭で考えてみてください。

答えがもし気になったら、ぜひとも本を買いましょう!

大人でも、だまされそうになりますね。


ルビは全部入っているので、小さい子でも読めますが、小学校中学年からオススメしたい児童書です。


この本は、長持ちすると思います。

子ども自身が成長して、高校生や大学生になったときでも、ふと振り返って読める本だと、私は確信しています。


お話も良心的で面白いです。

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