親は本のソムリエだ~「怪盗レッド」

 コロナ禍のこの一年、児童図書業界にだいぶ明るくなりました。

 私の心境にも変化が出ていて、児童文庫レーベルに応募するようになったのです。


 私の書いたお話をうちの子たちに読ませたい。


 そんな野望が芽生えまして、応募したけど落選です。

 世の中そんなに甘くない。

 ってか、最初の応募作「

シルクソード-魔人は探偵の夢をみる-」は、いかんせん私の性癖が強く入りすぎました。

 恥ずかしすぎてとても身内に見せられるものではありませんね……、ハイ。


 そういうことで、児童文庫レーベルを研究するという名目もあって、詳しくなっていくわけです。


 「ヨメルバ」という角川の児童図書ポータルサイトをチェックするようになって、こちらも大きな環境の変化。

 コロナ禍でなかなか外に出られない子どもたちに向けて、させてくれるのです!


 親としては、下読みできて大喜び。

 Web媒体なので、子どもに効果あるかはわかりませんが、少なくともこれのおかげで角川つばさ文庫のレーベルカラーを知ることができました。

(他の児童文庫では、期間限定まるごとタダ読みをさせてくれず、角川児童図書編集部の懐の深さに感謝してます)


 そして下読みした中で、うちの長女に薦めてみたのが「怪盗レッド」。

 なんたって、怪盗が大好きですからね。

 「アルセーヌ・ルパン」もいいけれど、女の子が主人公で現代の怪盗っていうところが、きっと刺さることでしょう。


 そんな親の目論見どおりに、見事にハマってくれました!


 あっという間に13巻。

 私の財布が寂しくなってしまいますが、「本にかけるお金には出し惜しみしない」方針です。

 私の親もそうしてました。

 本にはそれだけ教材としての、価値があると思うんです。


 「怪盗レッド」の内容についてですが、これまたエンターテイメントです。

 それでいて、知識欲も刺激されて、面白く読めました。

 あとがきも面白いんですね。著者の秋木真先生は、「記録係」という設定でキャラクターにインタビューを交えたりするんです。

 こういうところは、モーリス・ルブランをリスペクトしているのが垣間見えて、思わずにやっとしてたります。

 うちの長女もしっかりと、あとがきまで読んでました。


 気に入ってくれたみたいで、本屋で二冊ずつ買い足していきます。

 ところが最新刊まで届かず、15巻でストップです。


 どうやら飽きてしまったらしい。

 長女はなんとも気まぐれです。

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