第37話 動物園 その6

 音羽ちゃんの少し湿ったお話も終わって、ライオンから次のゾーンに向かう。

 ライオンの次はペンギンである!


「やっぱり動物園に来たら、ペンギンだね♪」


 音羽ちゃんはそう言いながら、写真を『パシャパシャ』撮っている。


「ペンギンは、いつ見ても可愛いね~~!」


 お姉ちゃんもそう言い、音羽ちゃんと同じように写真を撮っている。

 2人共、ペンギンが大好きな感じだ。


 ペンギンは『ペチペチ』と歩いて『ドボン!』とプールに入って泳いで、再び、プールから上がって『ペチペチ』歩いている。

 これは、見ていても和む風景だ!


「ペンギン、ペンギン!!」


 木華ちゃんも、浮き浮き顔でペンギンを見ている。


(やっと、動物園に来ているんだな…)


 私はその様に感じていた。

 本当に今日は、朝から問題ばかり発生している。


 でも、ここに来てようやく、それも終わったみたいだ。

 私も、ペンギンの可愛い仕種を優しい目で見つめ和んだ。


 その後も、色々な動物を見て周り、最後にさる山を見る。

 大きな岩山を削り、あらゆる場所に中腹をもうけ、所々にはしごやチェーン(ロープ)を掛けてある。

 さる山は半地下状態になっていて、色々な角度から、猿山(岩山)を見る事が出来る。


「あっ、小さいおサルさんだ!」

「可愛い~~!」


 木華ちゃんは岩山の回りをチョロチョロ動いてる、子猿を見付けて、はしゃいでいる。


「恵那ちゃん、すごいね。沢山の猿達が居るよ!」


 音羽ちゃんも、猿山を見ながら私に声を掛ける。


「本当! すごいね、音羽ちゃん!!」


 私も猿を見ながら、音羽ちゃんに答える。

 実は言うと私は…、結構お猿さんは好きで有る。


 どれだけの家族が居るかは分からないけど、ほかの動物たちと違い、本当に群れで生活をしている。

 お猿さん達の色々な仕種を見られるので、平気で私は30分は見ていられる。


 お姉ちゃんも『ボーー』と猿山を眺めている。

 20分位猿山見て、猿山を後にする。

 これで動物園に居る、動物達は全て見終わった。


「さて、ちょっと休憩して、帰りましょうか?」


「そうですね、結構良い時間ですね!」


 お姉ちゃんが私達に声を掛けると、音羽ちゃんがそう答える。

 家に帰る前に、入口近くの売店で、お姉ちゃんがみんなにアイスを買ってくれる!


「う~ん!」

「疲れた体には、甘い物が一番!!」


 木華ちゃんが、そんな事を言いながらアイスを舐めている。

 私もアイスを舐めながら、今日の1日を思い出して見る。


(前半……ボロボロだったけど、後半は、まずまずだったかな?)

(まあ、終わりよければ全て良しとしよう!)


 私はそう纏めたのだった!


 ……


「最後にさ、ここで写真撮ってあげるから、みんな並んで!」


 アイスを食べ終わった後、写真を撮ってくれると言うお姉ちゃん。

 私達は、周りの迷惑にならない場所を選び並ぶ。


「じゃあ、いくよ~~。はい、チーズ」


『パシャ♪』


 ☆


 お姉ちゃんが写真を撮ってくれた後、動物園を出る私達。

 お姉ちゃんが帰りの車内で『今日はみんな、それぞれのお弁当だったけど、機会が有ったら、みんなで持ち寄る方式もやりたいね』と言っていた。


 木華ちゃんを家の前まで送り、音羽ちゃんはお向かいだから、私の家の前で別れる。

 みんなを無事送り終わり、私とお姉ちゃんも家に入る。

 お姉ちゃんとリビングに入った所で、私はお姉ちゃんに今日のお礼を言う。


「今日は、本当にありがとう。お姉ちゃん!」


「いえ、いえ、恵那もお疲れ様!」

「しかし、疲れた…。慣れない事はするもんじゃないね」


 お姉ちゃんは着替えもしていないのに、ソファーに寝そべった。


「もう、ダメだよ! 服シワになっちゃうよ!」


 私はお姉ちゃんに注意する。


「直ぐに起き上がるから大丈夫だよ。恵那!」


「もう~~」


 私はそう言いつつ、お姉ちゃんを見つめる。


「んっ、どうしたの。恵那…?」


「うんん、何でも無い」

「今、お茶入れるね!」


「そう……お願いね!」


(ありがとう、お姉ちゃん!!)


 私は心の中で改めてお礼を言い、お茶を淹れるので有った。


 お姉ちゃんのおかげで、今日は本当に楽しかった!

 今回の動物園で、音羽ちゃんと木華ちゃんの絆も強くなったと感じる。

 本当にありがとう!

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