第2話 恵那の日常 その2

 買い物も無事終わり家に戻っているが、途中、子供達のはしゃぐ声が聞こえて来る。それは、公園からだった……


 公園……最近は、素通りしている事が多かったが、久しぶりに寄ってみる事にする。

 私は公園に入り、園内を歩きながら周りを見渡す。


 シャボン玉を吹いている幼稚園児位の女の子。滑り台をよじ登る、小学生低学年の男の子。よちよち歩きの子の後ろを、微笑みながら付いていくその子の両親。

 誰もが見ても和む風景だと思うが、私の胸は何故かモヤモヤしてくる。


「私も遊びたい……」


 私は思わずそう呟いてしまった。


 両親は長期海外出張に行っていて、お母さんが居ないから家の事は、お姉ちゃんか私のどちらかが行わなくては成らない。

 本当は、私は両親と一緒に海外に行くはずだったけど、私は音羽ちゃんと離れたく無いから、私は行きたくないと言った。


 両親としても『清美と恵那では不安すぎる……』と言う。

 もしもの事が有ったら……だし。頼みの綱のお姉ちゃんも、学校とバイトが有るから、恵那の面倒は全部見切れないと言う。

 お姉ちゃんはもう大人だから、この話は関係無かった。

 それでも、私は残りたいと言った。


「お姉ちゃんに迷惑掛けない様にするし、家事も出来るだけの事もする。お願いだから残らして! 音羽ちゃんとは離れたくない!!」


 私達の事情を聞いた音羽ちゃんの両親は『まあ、お向かいだし、多少の事は何とかなると思いますし、それに音羽も離れたくない』と言っておりますから……

 その様な流れに成って……、それで私の両親は『ならお願い出来ますか…』の感じで残れる事には成ったのだけど……


 自分で言い出した事だから、やらなければ成らないけど、やっぱり、いろんな子達と遊びたい!!


「今日も、音羽ちゃんと一緒に宿題しようかな…」


 また、呟く私……。今日はちょっと変みたい。


「よし、頑張ろう!」


 私は気合いを入れて、公園から出て家に向かう。

 この後の楽しみのために!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る