04.09.JKお散歩
「
「はあ? あたいの番はどうなるっ」
「そっちは一時間後に再開。
「私もまだ20分経っていませんけど」
もう一人いた。
「じゃあ、もう一度
「それだと
「でもこうして途中で中断されているのですから、最初からやり直しして欲しいです」
「だったら再開してあげない。最初に戻って
「なんでだよっ」
「そうですよ」
「兎に角、
「しかたねえなぁ。一時間だけだからな。さっさとヤってこい」
「ヤらないし。そんな場所ないし」
「それもそうだな」
「
「なによ」
「(ごにょごにょごにょ)」
「ええっ、そんな事……」
「出来なかったら嫁失格」
「わかったわよ、やればいいんでしょ、やれば」
「何するつもりだ?」
「アンタは黙ってされてればいいの。
「や、止めときなよ
「そうだよあずっち。こんな男――」
「邪魔者はこっち」
「ちょっと、引っ張んないでよ」
「行くわよっ」
「にしても、よくそんな格好してきたわね。自慢したいのはわからなくもないけど」
「一度言い出したら引かないからね、
とはいえ……
人の少ないところ、ないかな……
「ふーん、じゃ、じゃあ私とデー……、こうして歩いてるのも……」
「そうだよ。
「……」
「それより、どこか人目に付かないところないかな」
「人目に付かないとこ……」
「あ、いや、変な意味じゃなくて、こんな格好だからさ。どこか落ち着いて話せるとことがあればと」
「あっ、そう。こっちにあるわよ」
何で怒ってる?
「ここならいいんじゃない。こんな感じで暗いし、二人きり……みたいにもなれるから」
「あんまりくっつかないでくれるかな」
「しょうがないでしょっ、暗いんだから。だいたいから私と逸れたら彼女達のところに辿り着けないんじゃないの?」
「それは……、そうだけど……」
「だったらこれぐらい我慢しなさいよね」
怒っているのか、ただの照れ隠しなのかはわからないが、なんだかんだと
「これって落っこちたり回転したりしないよね?」
「何? 乗ったことないの?」
「一人で来るような所でもないし」
「彼女いるじゃないのよ、三人も」
「最近付き合い始めたばかりなんだよ」
「初めてでいきなり三人だなんて、おかしいんじゃないの、アンタ」
「それは自分でも思うよ。でもそういう君はこんな頭のおかしな男と……」
「う、うるさいわね。しょうがないじゃないの、好きになっちゃったんだから」
「好きって……」
はっきりと言われると結構な破壊力だな……
そんな話をしているうちにライドの手前まで来た二人。黒い馬車に乗り込み、少し行くと周囲の視線も気にならなくなる。
黒い馬車の中には
「もう逸れる心配ないから、そんなにくっつかなくても」
「いいじゃない。誰も見てないんだから。それから、私のことは
「ねえ、誰が本命なの?」
「……全員だよ」
「ふーん、優柔不断なんだ」
「……」
否定できない……
でも実際誰かを選ぶなんてできそうにないよ
「じゃあ、一番進んでるのは誰なの?」
「……全員……同じ。一緒に暮らしてる」
「四人で?」
「そうだけど……」
流石に引いたかな
「碌でもないよね。だから僕なんかじゃなくてもっと真面な人を――」
「イヤっ。言ったでしょ、一目ぼれだって。その顔を好きになっちゃったのよ。アンタの寝顔見てたら、胸がドキドキして朝まで眠れなかったんだから。あとは……」
「あ、
「ちょっとだけ。もうちょっとだけこのままでいさせて」
「でも……」
「これが終わったらアンタの事忘れてやってもいい」
何で上から目線……
「だから……、彼女たちに返すまでは私の好きにさせてよ」
「……」
そんな事言われても……
確かに可愛いけどさ……
「性格とかは気にしないの? DVするかもしれないし、ギャンブルにはまって貧乏になるかもしれない。見た目が気に入ったってだけで判断――」
「初めてなんだからね……」
「……だから性格はいいのかって……訊いてるのに」
「今のが答え」
「……」
「あんなに綺麗な人達がアンタに惹かれてる。別にお金持ちってわけでも無さそうなのにさ。同棲してるって事は、アンタの性格ある程度知った上で付き合ってるんでしょ? だったらそれで十分じゃない」
「それは……あの三人が変わり者なだけかもしれないだろう」
それにお金もそれなりに入ってくる予定だけどね……
「私も変わり者よ? 彼女が三人も居る人を好きになっちゃうぐらいには。それに、三人共いがみ合ってるわけでもないのよね。ありかもね、そういう関係も……。おっ、やったあ」
「何? えっ?」
「これよ、これ。
「賭けって……、僕の意志は?」
「
確かに逆らえない
そうだとも、興味もあるし反応しちゃってるけど……
増やしてどうするつもりなんだよ、
「折角嫁になったんだし……、こ、このままここでしてもいいわよね」
「流石にそれは……、正面見たほうがいいかな」
隣の馬車が見えているということは、二人のそんな姿も他の馬車から丸見えだったに違いない。慌てて姿勢を正すが、もう遅いのだ。
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