道の風景

道の風景

自転車が盗まれて以来、

何処へ行くのも歩きになった。

購入を考えもしたが、歩くようになって痩せたので(いい運動になってるらしい)、歩かなくなったら元に戻るかも……と思うと買えない。

歩いていると兎に角抜かれる。

おじいさんがえっちらおっちら漕いでる自転車。

前後ろに荷物(子供含む)を満載したママチャリ(電動)が驚くほどのスピードで背後から

あらわれ、あっという間にその背中が小さくなっていく。

騒々しい小学生達が３～４人で何処かへ向かう途中。歩く私を避けながら喋りながら追い越して通りすぎる。

夜になると見えるものが変わる。

自転車より車の方になる。

ヘッドライトやテールライトが『目』の様に見える。

流れている時は次々遠ざかるが、赤信号になると『赤い目 』の生物が縦にズラリと並んで唸ってる。

中に浮かぶ赤い目玉の下に同じ色の目をした顔が並んでる。

反対側では白や、黄色味のある目が連なって

前から後ろへ去っていく。

時々、その光が目に刺さる。

信号の無い交差点。

渡るべく、横断歩道のある場所で止まると

左右、両側を確認。

夜であればすぐわかる。

車のヘッドライトは離れていてもよく見える。

問題は自転車だ。

いまだに無灯火の人がたまにいる。

昼もそう。

自転車は歩行者を気にせず突っ走ってくるからだ。

歩く様になって気が着いた。

自転車で走っている時意識しなかったこと。

自動車の方が歩行者に気を使っている(人もいる。)

ずっと覚えていようと決めている。