球脊髄性筋萎縮症という難病で

近衛源二郎

第1話 第1次感染症指定病院

皆様、昨今のコロナ渦では、さぞかし面白くない生活になってしまっていることと思います。

神経難病という、筋肉が萎縮することにより、身体が動かなくなってしまう難病の患者が影響を受けているお話しを少々。

ALS等の重症難病患者は、定期的に入院することにより、介護をする家族の精神的負担や肉体的負担を軽減するレスパイト入院と呼ばれる入院が認められています。

今回は、そのレスパイト入院が、コロナ渦でできない患者のお話しです。

その患者というのは、筆者自身ですので、現在進行形の実話でございます。

筆者の病気は、球脊髄性筋萎縮症という難病です。

徐々に進行して筋肉が萎縮。

発症から約10年程度で車イスによる生活になり、約20年程度で呼吸器疾患を併発して死亡することが多いとされています。

新型コロナは、肺炎ですよね。

球脊髄性筋萎縮症の患者など、感染すればひとたまりもありません。

しかし、球脊髄性筋萎縮症の患者は男性のみで日本に2000人程度の希少な難病。

当然、研究も遅れ、なかなか進行を遅らせることすらできていないのです。

筆者は、発症からすでに22年。

もう、身体は、ほとんど動かなくなってしまいました。

誤嚥ですら危険な状況です。

障害者手帳2級要介護5障害者支援区分5という、寝たきりの判定を受けております。

ところが、筆者のかかりつけの病院で、主治医がいる病院が、第1種感染症指定病院で、地域の新型コロナの最前線の病院だったのです。

いつも入院していた病棟が、新型コロナに明け渡して。閉鎖されました。

他の病院をケアマネさんが探してくれましたが。

なんと入院1週間前に、新型コロナのクラスターになりました。

冗談ではなく、新型コロナに翻弄されてしまいました。

筆者の居住地の病院は、ほとんど、新型コロナで受け入れができない状況になっていることがわかりました。

3月に入って、筆者は低カリウム血症をお越しました。

本来なら、緊急で入院しなければならないくらいの症状でした。

それでも、新型コロナによってベッドがないのです。

命にかかわる症状でも、受け入れできないということは、完全な医療崩壊ですよね。

一般の病気の人は、死んでも文句も言えないんでしょうか。

新型コロナだけが病気なんですか。

たしかに、新型コロナは沢山の人の命を危険にさらします。

最近、テレビの情報番組等で、新型コロナで、他の病気の救える命が救えないとぼやいているお医者様を見かけるようになりましたが、我が身に降りかかってしまいました。

筆者は、幸いにも、点滴と投薬でなんとか危機をだっしましたが。

本来ならもう少し、早く楽になれるはずだったのです。

筆者の場合は、ステージが進んでいることもあり、在宅医師を専任していただいております。

訪問看護も入っていただいております。

したがって、自宅でも病院と同等の点滴や投薬は受けられました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る