左側、上

春嵐

左側、上

 スタート。


「はい来ました。現状報告」


「現状も何もないよ。前線は崩壊。後背に敵の後詰。ここは戦闘領域のど真ん中」


「まあまあ。ゲームだから。負けても死なんし」


「負けても死なんけど死んだら負けなんよ。わかる?」


「まあまあ」


 寸断された指揮系統を繋ぎ直す。動きを統制させ、まずは前線に近い部分から立て直して。


「守ってね。おれ今全体見てるから」


「来ていきなり守ってはおかしい」


 味方。そう言いながら、しっかり守ってくれる。フルオート両手持ち。


「よしよし。相手の指揮は変化に対応できてない。勝てるよ」


「そのまえに死ぬんだけど。はやくして?」


「まあまあ」


 全線を押し上げ、同時に後ろに回っている敵の後詰を孤立させる。後ろに回っているのに後詰なのがまずおかしい。ちゃんと指揮の後ろで待機させておかないと。


「相手のHQ攻めます。うん。いけるいける。おれも参加するよ」


 索敵を確認。


「ようやくか。はやく。索敵索敵」


 両手持ちフルオートがうずうずしている。彼女、やっぱり銃撃戦大好人間トリガーハッピー


「ええと。左側、上」


「よっし」


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左側、上 春嵐 @aiot3110

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