Warp

平 遊

第1話 序章

『引っ越しました!』

(誰だ?)

休日の日曜日。

昼飲みでもしようと近くのコンビニで缶ビールを買い、アパートに戻ると、郵便受けの中にハガキが見えた。

取り出したハガキを裏返し、差出人の名前を確認した俺の胸に、小さな疼きが生じる。

(相変わらずマメな奴だな。)

差出人は、ミカ。

お互いに、年賀状だけは出していたが、大学卒業以来3年間、一度も会っていない。

大学時代には、よくつるんで遊んでいた、言ってみれば「相棒」のようなもの。

当人同士は「付き合っていた」意識は無いが、周りからはおそらくそう見られていただろう。

気の合う相手。

好きな音楽も映画も笑いのポイントもガッツリ一致。

これ以上無い、居心地のよさ。

しかし、第一印象はお互いに最悪で。

しかも、出会った当初はお互いに連れがいた。

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