12話 嘘つき

 嘘つき




「皆大丈夫?」


 皐月の声に、皆が口々に返事する。


「僕は大丈夫だよ」


「本当に、他の皆を文の基地に置いて来て良かったわ! こんなことになるなんて思いもしなかったもの」


 本当にマーキュリーさんの言う通りだと僕こと奈波も思う。ただただ、誤認逮捕の人たちが巻き込まれるのはかわいそうだもん。


「す、すまない。誰か我を布団に連れて行ってくれないか?」


「あら、高と、いやサターンが疲労困憊ね。儂が連れていくわ」


「あ、ありがとうございます。ヴィーナス様。さっきのワームホールで力を使い過ぎて、へろヘろなんです」


「あ、それなら、私、ウィンディーネウォーターが案内します。あっちの部屋に、ベッド室がありますので」


「あ、あたしも、行く。寝たい」


 雛さんも寝たいみたいだね。うーん僕はまだいいかな?


『あたしたちもいこ~』


 光ちゃんが僕にこっそりと念話で言ってくる。


『分かったよ』


 そう光ちゃんに返して、


「僕も少し疲れたよ」


「あたしも~」


 僕たちは、ウォーターに付いて行って、皆布団に入る。みんなが寝静まったころ、で光ちゃんが、


「ねえ、あたし気付いたんだけど~、あの魔法少女たちの中で火属性と光属性の二人が嘘ついてたよ~。ただ、どこで嘘ついているか分からないから、追い出すわけにはいかないけど、でも、監視したほうがいいと思うんだ~」


「成程ね、分かったよ。なら、次の戦いの際に、出来る限り監視しよう」


「ありがと~」


 こうして僕たちは眠りについた。そして夕暮れ時。




 海軍大将 武蔵




 いつでも飛び出せるように、駆逐艦の中で待機して、外の様子を見守っていると、敵戦闘機が現れて、


「よし、そろそろ行くよ!」


「うん~、行こう~! っとその前に~」


「うん、風のサモンエッグを飛ばしておくよ」


 風のサモンエッグに魔法少女たちの監視を頼み、視界の端に風鳥の視界を映しておく。皐月の対空コンボが発動、それと共に、僕たちも飛ぶ。威圧を感じない? って事は、多分皐月は敵に的を絞る方法を覚えたんだね。


「奈波、光! お願い!」


「「いいよ」~」


 水のサモンエッグを海に放り投げて、水魚を召喚。魚雷にぶつかっていく。その間に僕は風のサモンエッグに魔術で作った風をぶつけ、ペガサスを召喚。ペガサスが敵機を落としていって、光の方も、レールガンとブーメランを召喚してなぎ倒していっている。そのうえで、金のサモンエッグを周りに浮遊させながら戦う。


『皐月! まだ倒せないかしら? こっちも耐えられるけど、そろそろ致命的なダメージになりそうよ。傾いたら、砲撃が出来なくなるわよ』


『御免マーキュリー。もう少し!』


 そんな会話を聞きつつ、攻撃を続け、敵機はついにエース機一機だけになった。


『奈波、光。空の様子はどうだい? バフなしで行けるかい?』


「うん、大丈夫。エース機一機だけだから、僕と光で何とかして見せるよ!」


『ありがとう』


 エース機に向かって、金のサモンエッグを投げつつ、戻ってきた風のサモンエッグをばら撒いて、風鳥を召喚して、エース機を追わせる。くそっ! 全部避けられちゃった! でも、あちらも攻めきれない筈! 撃ってきた弾は全部金羊の召喚材料にして、その後の弾は羊に阻まれる。って無人機ならではの攻撃、神風アタック!? 銃を使わず、こっちに体当たりをするつもりで、飛んできているよね、あれ! でもチャンスだよ。金のサモンエッグをぶつけて、召喚材料にしよう! っと上昇して避けた? って機銃で撃ってきた! ぶつけに行ったから、サモンエッグが間に合わない! でも、戦っているのは、


「奈波、行くよ~!」


 横からレールガンが飛ぶ。それによりエース機は撃墜。そして、目の前に超弩級戦艦が現れて消えた。


『ん?』


『今のは機工みたいね。ならば、機工装着を行ったとみて間違いなさそうね』


『う、うん、睦月型全艦集結するよ! ここであいつを止める!』


『いや無茶よ! でもそれしか方法はないかしら。とりあえず、全員を敵基地に下ろすから、それまで耐えなさい! 後、奈波、光は皐月の援護をお願い!』


「う、うん」


「りょうか~い」


 海上に浮かぶ、仁王立ちした女性を見つめる。あの人を倒せばいいんだね。でもさっき見えた、島のような大きな船を装着しているんだよね……。何とか出来るのかな? いつの間にか、半円状に駆逐隊が敵を囲んでいる。


「行くよ! 魚雷一斉射!」


 ほとんどの魚雷が当たるけど、ほぼダメージが入っていない。


『こんなもので、海軍大将 藍井大和はやられるものか! 仕返しだ、行くぞ!』


 かなり遠くからの砲撃。アレを着水させては、爆発されてはとても危険だと本能で理解した。とりあえず、金のサモンエッグをぶつけよう。けどあの距離をぶつけるのは無理だね。なら、


「分かっているよ~。奈波ちゃん。金のサモンエッグちょうだい~」


「うん!」


 金のサモンエッグを渡すと、レールガンに挟み込んで発射。たしか、サモンエッグはその名前通りの属性も持っているから、弾にして飛ばすこともできるみたい。それを撃ちだして、砲弾にぶつけて媒体にし、金羊を召喚した。


『成程、その玉は吸収して、他のモノにする物だな! だが、俺は攻撃を続けるまでよ!』


 また撃ってきた! けど、


「次の金のサモンエッグをぶつけて接近だよ」


「りょ~かい!」


「うん!」


 砲弾が飛んでくるけど、それに金のサモンエッグをぶつけて、金羊を召喚していく。よし、これなら! 行ける! そう思って、接近していくと、皐月が、水柱を立てて、


「御免! 魚雷にやられた!」


「一時退却して! ここは僕たちがやるよ!」


「ごめん! けどまだやれるよ」


 皐月が周りに浮いている駆逐艦に跳び乗り、


「機工装着!」


 と声をあげると、乗っていた駆逐艦が姿を消して、皐月の武装となり、皐月は戦線復帰した。


「けどこれでも、一時しのぎにしかならないよ、だからその前に接近するよ!」


 接近はしているけど、一隻また一隻と駆逐艦が取り換えだったり、魚雷による攻撃だったりで、減っていく。僕も水のサモンエッグを撒いているけど、それでも追いつかないで、皐月に魚雷攻撃が通ってしまう。


「でもこれで!」


 接近は成功。これで、相手は砲撃できない筈!


「くそっ、まあいい、お前らなど、機銃で落とせる!」


「やれるものなら、やってみてよ!」


 僕は旋回しつつ、風のサモンエッグで攻撃しているけど、全然沈む気配がない! 光ちゃんも、レールガンを撃ち込んでいるけど、紙一重の回避で、なぜか耐えられているよ。


「何あの化け物級の防御力、怖!」


「そうだね~、でも地道に攻撃を続ければ何とかなるよ~」


 けどそうは問屋が下ろさなかった。機銃が針山のように現れて、防衛を開始。僕たちは、


「金のサモンエッグを投げるよ!」


 皐月の前に羊を出して、僕たちは攻撃の薄い直上へと逃げた。


「かかったな!」


「へ?」


 腕を上空に向かって伸ばし、その先に装備されている46㎝3連装砲がこちらを向く。けど、さっきの超火力の砲撃この向きに撃ったら自分もダメージに!


「三式弾だよ! おそらくだけど~、それならあたしたちにダメージを与えて、自分は装甲でダメージが無いんだよ~」


「え、あ、そういう事?」


 金のサモンエッグを構える。今浮いているのが2匹いて、皐月の前に2匹。一撃しか防御できないけど、浮いている羊に帰還指令を出せば!


「超音速流! 一線!」


 雛が飛んできて、光が一線走る、すると敵の腕が飛んだ。あんなに僕たちが攻めあぐねていたのに! いや、けどいいよ! 音速で飛んできた、雛が敵の腕を切り落としてくれたおかげで、


「これで、なんとかなる!」


「クソッ、クソッ、クソッ!」


 上からレールガンの攻撃が飛ぶ、それと同時に魚雷も到達。しかしそれでも、装備がすべてボロボロになっただけだった。けど少しずつ沈んでいっているのが見て取れる。


「た、助けてくれ、このまま円卓機工が世界を支配しなければならないんだ! あんな、無知どもに任せておけないんだ。機工さえあれば、皆が平等に!!」


 そう言って沈んでいった。その後を確認せずに、僕たちは、敵地に向かって行った。


「それにしても、疲れたよ……。ずっと魔術を使っているから、魔力が枯渇しそうだよ」


「そうだね~。ここは、ヴィーナスさんの効果範囲外だもん。魔力回復ができないのも納得だよ~」


 僕と光ちゃんは、もう魔力が限界だった。このままだと、敵地まで行けないかも?


「あ、こういう時に使うんだこれ」


 そう言って、皐月が、腕に着けているsgmを起動して、一片使用する。


「あ、そっか。その手があったか」


「そうだね~。sgmを使えば、良いんだね~」


「あ、あたしも使うよ」


 三人ともsgmを起動して魔力を回復し、敵地に向かって行く。その途中、


「お、いたいた。と言うか戦いは終わったみたいね。なら乗りなさい。少しでも回復して、前線で戦うのよ」


「「「「ええー」」」」


 マーキュリーさんが来てくれたんだけど、いやなこと言われてなんか皆の声が合わさった。

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