5話 矯正監vs光
矯正監vs光
「ここから一本道かな?」
「そうだね~。一本道だね~。で、どうする~? 敵がうじゃうじゃいるけど~」
「確かに、看守っぽいのと、囚人っぽいのが此方を睨んでいるわね」
首輪の付いた囚人と、その隣に武装した看守たちがいるのがわかる。かなり睨んできているよ。でも、ひるんでいる場合じゃないよね。
「我が倒そう。殺さぬ程度にな」
「なら、儂も行こうかしら。道もつけてあげやすいしね」
「えっちょ……」
僕が待ってという前に、ヴィーナスさんは鉄でできている床をそのまま壁になるように変形させ、その下から出てきた土を、サターンさんは魔力で絡めとり、トンファーのような、でも違うだろうと思われる物の、トンファーの叩く部分が、筒になっている所に勝手に土が詰まっていく。そしてそのまま振り回し、回転しだす。それが速度がかなり速くなった所で、蓋を開け、土は散弾のように飛び出した。囚人の盾に当たると、盾ははじけ飛んだ。
「何あれ?」
「かなりヤバいよね~あれ」
盾で庇っていなかったところからは、血があふれ出して囚人は、
「イテェ! いてえよぅ!」
「回し過ぎたか、死にたい奴だけかかってこい!」
「先行きなさい、二人とも。そして、マーキュリーを助けて来てね」
「はい!」
「わかったよ~」
僕たちは奥へと向かう。そこには、培養槽のようなものがあり、その培養槽の中に女性がいるのが分かる。その前には、
「やっほ~、おじさん。やっぱり、来たね~」
「……それはそうだろう。此処は、俺の矯正監だからな」
「じゃあここで倒れていてね~!」
そう言うと、光は素早く手を鋼鉄化、そして巨大化。そのまま叩き潰そうと矯正監に迫った。僕も刀を抜き、透明化。そして、移動しつつ、魔力で作った、電気で電のサモンエッグ6個から6体の雷犬を召喚。それをそのまま矯正監に向けて放った。
「そこか!」
その声と共に僕の走っていた場所に攻撃が飛んでくる。
「なんでわかるんだ!」
「当たり前だろ。音が消えていない」
それだけでばれるか。かなり気を付けないと!
おじさんは後ろにドタドタと下がり、その瞬間壁が現れる。これはおじさんの能力、3次元=2次元だろう。たしか、二次元の物を三次元に、三次元の物を二次元にできる能力だったかな~。でも無生物しか変化させられないんだっけ~?
「がっはっは、俺は最強だからな! こんな雷犬、簡単に消せるぞ!」
サモンエッグが地面に落ちる。あ、これ使えそうだね~。そのまま拾い上げ、電のサモンエッグに手から魔力で生成した電気を通して~。するとサモンエッグを媒体にレールガンが召喚された~。そのままそれを手に持ったまま、撃ちだせと命令。レールガンは起動、それをおじさんに向けて、弾を撃つよ。そのまま間にある壁を破壊したよ。またおじさんは壁を元に戻すが、それも破壊するよ~。
「このまま撃ち滅ぼすよ~」
「それはどうかな?」
レールガンの下から鉄板が現れ、レールガンを切るように破壊されちゃった~。
「まだだよ~! まだ、一機残っているよ~!」
しかしレールガンを構えた途端、それも下から現れた鉄板に破壊されたよ~。
「まだ! まだ!!」
鋼鉄の腕で殴り掛かったよ。けど今度は、分厚い壁によって阻まれた。
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