物語が殺される時代

 突然だが、私は椋鳩十先生の作品が好きだ。「赤い花」、「大造じいさんとガン」、どれも心に残っている。



 ところで、人工肉というものが流行っているらしい。遠い未来、人間は動物だけではなく植物さえも殺さずに生きるようになるかもしれない。


 そんな、“美しい”世界で育った子供たちに「大造じいさんとガン」をプレゼントするのは悪趣味だろうか。

 

 

 

 

 私は近い将来「大造じいさんとガン」が教科書から消えるのではないかと危惧している。


 

 今は、ディズニーの古い映画さえ子供に見せない方もいる時代だし、人が魚を食べているのを見て泣く子供がいる時代だ。残酷だとか言われてしまうことなど容易く考えられる。

 

 物語が大量に殺される時代が来るのではないか。

 

 そう思うと怖い。


 



 

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