第5話 追いかけっこと言う名の復讐劇?


そんな訳で

一応、敵軍の将であったが故に監視がつけられた


というのもイーサン・アダム・アダム卿グロニードとライリー・アラン・アラン卿クロヴィーと言うなんとも言えないような2人が送られてきた

まぁ、そいつらが嫌な奴らでさ

そりゃぁ理解しているよ?私だって敵軍の騎士であったわけだし、嫌われるのもわかっている

だからって、嫌がらせするのはお門違いだと思うんだけど?

ホント紳士の教育受けたのか?てめえら!

て思うほどに


まず、ライリー。あいつは腹黒い。嫌いという態度を表に出さずに私にしれっと意地悪してくるんだから腹が立つ

そんでイーサン。あいつは子供だ。態度丸出しで嫌ってるし。何かと私に悪態を着いてくる。そして何よりも武の才能があるのが尚更腹立つ!


という訳で私は超絶腹が立っている

うん。今からイヴァンをぶっ飛ばしたい

でもあいつ何気に強いからなぁ

それにそれしたら完全に殺されるだろうし

今はやめとこ



そんな私は陣営を歩いて見に回っている

というのも、どういう仕事をしているのか深く理解する必要性があるから

まぁ、知っといて無駄にはならないし

でもさぁ、これを一週間続けている私の身になって?

飽きない?さすがに



すると目の前の騎士が私を嘲笑った

これも流石に慣れたわ

邪魔なのも言わなくたって分かるよ



「はぁ……。だから一旦逃げさせてって言ったのにさ」


するとイーサンが反応して嘲笑う目で私を見た

ああ。腹が立つ。本当に腸が煮えくり返るよ

「ふっ。ただ闇雲に単騎で行って捕まったバカのくせに」


まぁ、無視するのが1番が。こんな精神年齢子供を相手する必要性はないし

「……」

「何も言えないのか?ほんとにお前、バハムートの血族か?」


「はぁ……」

どうやらそろそろ私の堪忍袋の緒が切れるみたい

だからその前にこいつらを懲らしめとくか

私はまず、アダム卿を魔法で高く上げて川の中に突っ込ませた


「うぉー!?!!?!?」


そしてその次に唖然としているアラン卿を喪失しない程度で男の大事なところを蹴る


「うぐッ!?!!!」


それを見ていた騎士たちがしばらく唖然としたあと、ハッと見合わせ、私に向かって走ってくる

その数、何と、何と!!!なんと!!

18!!!!


この数で騎士はさすがにキツい

ということで私は逃げる


私は空間移動魔法を使いところだが、実を言えば魔法石が着いたミサンガを無くして、下手に使えない。※使ったら一帯がぶっ飛ぶ。

悲しくて涙が出そう。てことでとにかく走る


なんか知らないけど陣営を大群が走る、はしる、ハシル、バジル


それを唖然と見る人もいれば『母国では大草原で走れないから走る』と言う奴から、楽しそうと言って混ざるバカまでいる

そんな訳で何故か鬼は35!!!

うん、大軍だねぇ



すると目の前にワイアット・マーヴィン・マーヴィン卿スミリアがゆっくり休憩しているのが見えたので適当に引っ張りこむことを考えた

あの策士を引っ張ればちょっとは状況を変えられるはず。下手なやつより



マーヴィン卿副司令官!!!逃げて!!ゾンビが追いかけてくる!!!」

「……ん?……ぁ」

マーヴィン卿は後ろを見て、危険と察したらしくリゼルとともに逃げ始める



「クロムナイト卿」

「はい」

「何があってこうなったのですか?」

「そうですね。あの二人が毎日、私に悪さをしていまして。腹が立ったので軽く窘めたのですが。どうやらそれが反逆に見えたらしく……」

「そうですか……。それは貴方のせいですね」

「うーん。どうでしょう。アラン卿はまだマシですが。あの脳筋野郎はさすがにないですよ。ほんとに」

「それは同感です」


しばらく私たちは走っていた。まぁ、幸い。森の中をよく駆けずり回っていたから体力はある

「マーヴィン卿。これ、どうしましょう……」

「そうですね。ついでにいろんな人を巻き込むのもありかもしれませんね」

「巻き込む?」

「ええ。面倒くさそうな人をとりあえず巻き込んで文句言わせないようにすれば自分も加わったのですから文句言えないでしょう」

「ああ。確かにその手は思いつきませんでした」

「意外ですね」

「そうですか?」

「ええ。貴方のようなわざと捕まって仕えようと考える人はいません」

「やはりマーヴィン卿は気付いていたのですね」

「ええ。逃げる気があるなら陛下を特殊魔法でぶっ飛ばせばいいだけでしょうし。それにわざわざ、単騎で攻めに行くような人ではないのは見て分かります」

「そう言うマーヴィン卿も策士ですね。バハムートの血族が困っていることを知って攻めてきたのでしょう?」

「ええ」

「まぁ、おかげで助かりました。目をつけていた君主に使えることが出来た訳ですしね」



すると目の前にイヴァンとハーバード卿後方支援部隊長が現れた

私はマーヴィン卿と目を合わせ頷き合う


2人はどうやら後方支援についての話し合いをしていたらしい。天幕から出て、書類の受け渡しをしていた。

「今日の後方支援の物資は以上です」

「そうか。ありがとう」


「ハーバード卿!!!逃げてください!!ゾンビが追いかけてきます!!!」

「イヴァンのクソ野郎!!逃げろー!!!」

すると2人が後ろを向き、逃げる2人の後ろには大軍が迫っているのを知る

「………えっ?」

「はっ………?」


大軍が来ているのを知った2人はリゼルに混ざる

これは言わいる心理学的な話だ。




「ねぇ。一体どうゆう状況かい。マーヴィン」

「実は……」

マーヴィン卿は事の経緯について説明する

「はぁ……。なんで捕まらなかったか?クロムナイト卿」

「さすがに18人もの騎士に追いかけられたら逃げますよ。そりゃぁ、咄嗟に逃げますよ」


「それとこれとは違うと思うが?」

「陛下は黙っててください」(怒)

「マーヴィンが冷たい」(ショボーン)

「はぁ……。陛下うるさい。大元の原因は陛下なのですから黙ってて!!」

「……」(ショボーン)


「それでこの状況をどうするつもりなんだ?マーヴィン卿」

「とりあえず、面倒くさそうな人を巻き込んで日頃の復讐を果たすことにしました」

「なるほど。ということは私に恨みでも?」

「いえ。それはないと思いますよ?少なくともハーバード卿は人をバカにしたり仕事を下手に増やすような人では無いのは見て回っていた私でも分かります。ですよね?マーヴィン卿」

「ええ。たまたま居たから巻き込まれただけです」

「という事らしいです」

「なるほど。陛下には申し訳ないが安心した」


リゼル「それでなんですが、誰か復讐したい人はいますか?ハーバード卿」

ハーバード卿「グレン卿歩兵部隊長ジャレッド卿近衛部隊長だな。陛下は済んだしな」

マーヴィン卿「確かにたまに腹が立ちますね。グレン卿は酒を呑みによく誘われて困ってますし、ジャレット卿は妻とのラブラブ話を長々とされて迷惑です」

イヴァン「ああ」

リゼル「そんなに酷いのですか?」

ハーバード卿「ああ。酷い。まぁ、グレン卿は酒癖が悪くないのはありがたいが」

マーヴィン卿「ジャレッド卿はとにかく俺の心をズタズタにするので嫌いです」

リゼル「……今、『俺』って言いませんでした?マーヴィン卿」

マーヴィン卿「……聞き間違いでは?」

リゼル「いえ。確かに言ってました。やはり表面は穏やかな振りをしていて内側はドロドロなのですね」

ハーバード卿「……可哀想に」

ハーバード卿が哀れむ目でマーヴィン卿を見た


リゼル「まぁ、実際。陛下とアダム卿、アラン卿と下級騎士達を破壊魔法で服を無くして空間支配魔法で吊り下げたいくらいに腸が煮えくり返ってます」

私はマーヴィン卿に向かってニコリと微笑む

イヴァンが青ざめている

ハーバード卿はイヴァンに対して哀れんでいる


マーヴィン卿はその顔を見たあとしばらく考える

そして目をキラキラさせてリゼルに頷く

「その案。いいですね」

「ですよね?我ながらいい案だと思うんです」

「ええ。さすがに自軍の騎士達や陛下にやるのは士気に関わるのでやりませんけど。捕虜や密偵に情報を出させるときには絶大の効果が出そうです」

「ええ」



すると目の前にグレン卿とジャレッド卿、そしてエドワードが話し合っている

私達は見合い、ニヤッとさせた

イヴァン曰く、『グレン、ジャレッド逃げろ!』と口パクしている

(声を出せないようにマーヴィン卿が魔法をかけた)


「一体、何が起きてるのだ?人が著しく少ない」

「ああ。確かに人が少ないな」

「俺が調べてきましょうか?」

「ああ。ザッカリー卿エドワード。お願いできるか?」

「はい」


「グレン卿!!!逃げてください!!!大軍が追いかけてきます!!!」

「ジャレッド卿も逃げてー!!!!死にますよ!!」

ふたりは後ろを見て唖然とする。エドワードは機転をかけ、木の上に上がった。


「ん?……んん??!!!!」

「へっ………!??!!」


ふたりは私達に混ざった

「一体、どういうことですか!?陛下」

「……」

マーヴィン卿とハーバード卿は視線を合わせ、マーヴィン卿は2人に魔法をかけた

「流石ですね。マーヴィン卿」

「いや、それ程でもない」


「ザッカリー卿はどうしますか?あれはあれで面倒です」

「そうだな」

「マーヴィン卿。そこは安心してください。お菓子の件と言い、きっと頭のいいエドワードならばわかるはずです」

「他にも彼の秘密が?」

「ええ。実は可愛いものが大好きなんですよ」

「えっ!??」(えぇぇぇっ!??!??)

ここで走っている彼らは衝撃を受ける


「そうそう。小さい頃、どうやら私の可愛らしさに笑顔が隠せなかったみたいで。いつも『エドワードー!!』て追いかけると喜んで笑ってくれてました」

「えー……」

「ええ。無情の獅子が台無しですよ。ホントに。なのでエドワードに可愛いお人形や動物などを見せたりするときっと喜びますよ」

「他には何があるんです?」

「ああ。料理と裁縫が得意だと父が言ってましたね」

「………。お母さんですね」

「ええ。本当にお母さんです」

「あれで強いなんておかしいな」

「本当にですよ」



すると目の前にゼドリック卿医務長が現れた

それで追いかけっこは終了した。

そう、「何なんですか?!あなた方、重鎮が遊んでいて馬鹿なんですか!?」という声でそれは終了した



そして関わった人は全員集められ。正座させられる。流石にアラン卿に正座させるのは可哀想なので椅子に座らせる


「はぁ。何してるんですか?!!!」


(イヴァン)「悪いのはマーヴィン卿だ」

(マーヴィン)「私ではありませんよ?少なくとも悪いのは陛下です」

(ジャレッド)「どういう事なんだ?あぁん?」

(私)「はぁ。、私から説明します」


私は一部始終の流れを話した

「……ということです。私だってこれでも我慢したつもりです。さすがに堪忍袋の緒が切れたことで、殺人沙汰になるのは避けたかったので。それが起きないためにした行動です」

「なので結論的には陛下の人選ミスで起きたということです」

「心の器小さくないか?」

「なら陛下は寝ようとしている時に来て、長々と文句言われる方の身にもなってくださいよ」

「「「うわぁ……」」」

「そりゃぁ、溜まります。それにみんなして居なくなれって目で騎士たちが見てくるんですよ?さすがに破壊魔法で消滅してやろうかと思いますよ」

「………。分かった。私が悪かった」

「理解してくださったみたいなら構いません」

「ああ」



エドワード「はぁ……。クロム卿」

イヴァン「ん?」

エドワード「これで終わりだと思ってるのですか?」

ジャレット卿「ザッカリー卿。やめとけ。お前が恥をかくだけだ」

エドワード「は?」

一緒に走っていたメンバーがこくこくと頷いている

セドリック卿「ん?ザッカリー卿にまだほかにも秘密があるのですか?」

マーヴィン卿「ええ。まぁ、彼がこれで終わらせてくれるならば言いませんけど」

エドワード「んなっ!?!!」

リゼル「ね?陛下」

イヴァン「ああ」

エドワード「なっ、何を話したんですか!?!!?!、?」

リゼル「まぁ、お父様から聞いた話とか幼い時の話とか?」

するとエドワードは震え始めた

エドワード「うわああぁぁぁーー!?!!?」

ハーバード卿「可哀想に」

マーヴィン「それが運命ですよ。ハーバード卿」

ハーバード「そうだな」

マーヴィン卿「とりあえず陛下は吊るしときましょうか」

リゼル「ええ。そうしましょう。マーヴィン卿」



この後、誰も罰されることなく終幕した

※イヴァンは吊るされたけど、偉いから罰は無いに等しい?

この事により私はマーヴィン卿とハーバード卿と仲良なった

その他にもジャレット卿にグレン卿とは顔見知りになった



私はイヴァンの恨みを返せて満足。(ニコ)





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