第一章 転生したら厄介事に巻き込まれました
第2話 言った通りに転生してしまったんだけど
私は転生した
なぜそう言えるかって?
それは今、確かに異世界にいるから
私が転生した世界はまぁ、ライトノベルか?ていう世界だった
まず、魔法と剣の世界だった。その他にも聖獣や魔物(魔獣)もいたりと完全にライトノベルの転生もの
実際に冒険者もいるし正教会もあるし、魔王だって300年前には居たって書物で読んだ
まぁ、そんな世界に転生してしまった私だけど。
現在、何しているかと言うと剣の稽古をしている
というのも私の転生先はグレイ大陸の北東にあるフランソリワ王国だったの
それも騎士侯爵家、アルディバラン家だった
『神様ありがとう』て思ったよ。最初は
でも箱を開けてみればおっかなびっくり!
女の人は騎士になれないどころか行政にも関われない。まぁ、それは何となく分かる
でもだからって私を男だと偽る必要性ある?
まぁ、確かに顔立ち的に面長でつり目の薄い唇の男にでも女にでもなる顔。声も両生類
でも、さすがに一族の中に男の子が1人も生まれなかったからていう理由で私を男の子にする必要性ないでしょ!?
家の権限や他家の思うがままにされたくないって言う理由で大罪を犯しちゃダメでしょ!
絶対、
まぁ、そんなわけで私は父から軍略を。エドワードからは武術と基礎魔法。家庭教師には内政や聖書、計算、外国語を習っている感じ
あ、ちなみに礼儀作法は執事のジェイドと専属メイドのマリアから男女とも習ってる
そんな私も転生してから10年が経った。男の子らしく振る舞うことにも慣れた
んなわけで今日はなんと、なんと!なんと!!
初めて魔物狩りに出かける!
ひゃっほーい!血が疼くぜ!
それもお父様はお仕事でいない
なおさら最高!
あ、ジェイドから鋭い視線が。つい思わずはしゃいでしまったわ
うげっ、近付いてくる。逃げよーと
「リゼル様。お逃げになさっても無駄です」
するとジェイドは私の襟を掴んだ
うげぇー。捕らえられた。ジェイドはずるいなぁ。私がまだ高速移動魔法が使えないって知ってるからってその魔法を使って捕まえに来るんだもん
「全く。リゼル様。紳士はどうでなくてはいけなかったのですか?」
「はぁ·····。いかなる時も落ち着いてなくてはいけないのだろ?ジェイド」
「はい。そうです」
「分かってる」
「なら、今度からは気を付けてください」
「ん」
ジェイドはため息をついたあと、私の襟を離し
た
すると足音が聞こえてくる
ん?この音は··········!エドワード!
私は後ろを振り向き、エドワードを笑顔でエドワードを見る
エドワードは剣術と魔法を教えてくれる先生だ。とても強くてお父様の左腕と言われている
それに教え方もとても上手くてとてもありがたい
「エドワード!」
「あ、リゼル様。今日も相変わらずお元気ですね」
そう言って笑う彼は本当に嬉しそう
「ああ。なんたって初めての魔物狩りなんだ!楽しみに決まってるだろ?」
「そうですね」
「お父様にびっくりさせるような成果を出すぞ!」
私は真剣な顔でガッツポーズをする
やはりやるならば人に褒めてもらいたいに決まっている。特にあの厳しい父に関しては尚更!
「ふっ」
エドワードが私のそのポーズを見て吹いて笑った
私はなぜ笑うのかよく分からず頭を傾げる
「ん?どうしたエドワード?」
「いえ。本当にわんぱくで可愛らしいなぁと」
いま、私の事子供扱いした?それも可愛いと言ってなかった?あの可愛いという発言が似合わないエドワードが·····。これは問い詰めるべきね
「ん?いま、俺を子供扱いしなかったか?」
「いえいえ!そんな事していませんよ?聞き間違いでは?」
·····うん。言い逃れするつもり見たいね。まあ、いいわ。イケメンを見るといじめたくなるけど。さすがに嫌われるのは嫌だし。見逃そう
私はエドワードをしばらくジト目で見て、ニヤとした
「ふーん。そうか。まぁ?実際、俺は子供だし?今回は許そう」
間違いなく、エドワードは危機を感じたはず!多分
「··········。それでは行きましょうか」
「ああ!」
私たちは屋敷の後ろにあるスプリグ大森林に向かった
すると早速、風属性のスライムが10頭程、出てきた。私はエドワードを見て殺っていいか確認する。するとエドワードが頷いたので、私は子供用の剣を取り出す
私は喜びで踊っている心を沈ませる。そして教わった通りに剣に魔力を入れ、構える
剣は青黒く染まる
そして機会を見て、斬りかかりに行く
すると水ようかんを切った時の感触を感じながら次々と倒していく
その颯爽と倒す姿にエドワードは満足しているみたい。嬉しそうに笑ってる
全てが終わった私は剣を片手にエドワードの所へ行く
「エドワード。スライムは剣では斬りづらいと習ったけど案外、いけるな」
「ええ。リゼル様ほどの天才であればあっという間でしょう」
「ああ」
「次はトロールを倒しましょう」
そう言ってエドワードは奥にいるトロールを指さした
私は頷く。『斬った感じスライムは水ようかんなら次はなんだろう?クロワッサン?板チョコ?』そう、気楽に思いながら斬りかかりに行った
ちなみにクロワッサンだったよ。サクサクだった
うん、お腹空いた
他にもゴブリンが抹茶アイスみたいな匂いだった
どうやらこの世界の魔物は食べ物のなにかに繋がっているみたい
私は種類関係なく数えるなら50匹の魔物を倒した
はっきりいってこの歳でこれだけできると、化け物レベル
でも、それは一時的なもので剣術の技能は限界に行けば追いつかれるのを待つだけ
お父様やエドワードみたいにはなれないだろうけど、魔力については分からない。魔力はお父様よりあるとは言っていた
そのお父様がどれだけの魔力を持っているか次第だとは思う。ただ、平均よりは幾分か上だとは思うけど
それから数日後、私達はまた狩りに森へ向かった
私は弓を構える。狙うはうさぎ
うさぎは奇襲に会うと寝床の辺りをくるくる回る習性がある。それが初心者の狩り練習にはうってつけらしい(なんかエドワードが言ってた)
私は赤い瞳の目を獲物を凝視し確実に狙う
そして綺麗に獲物を仕留めた
それを持ってエドワードの所へ向かう
するとエドワードの姿はない。それもおかしいくらいに音が聞こえない。私は五感を鋭らせる
音がダメなは嗅覚、味覚、視覚、触覚、気配を鋭らせる
すると、何かを感じる。膨大な何か
私が太刀打ち出来ないほどの圧倒的な力
私は恐らくそこにいるであろう絶対的王者へ体を向ける
するとそこには私と同じ黒髪に赤い瞳をした男が立っていた。その男は美しかった
「ようやく気づいたか。子供の女」
なぜ?女だと?私はこの10年間、1度たりともバレたことはない。なぜ、この男は一目で分かったの?おかしい
「っ?!!、?なぜ、女だと」
「俺は竜だ。それくらい見なくとも聞かなくとも分かる」
え?いま、ドラゴンて言ったよね?あれぇー?
おかしいな殆どの人がドラゴンに会わずに死ぬって聞いてたけど。あとで、エドワードを問い詰めて懲らしめないとね
て、それよりなんでドラゴンが私に声をかけるわけ?今の私は間違いなく子供。弱い
いわいる『体は子供!頭は大人!それは名探偵···!』なんだけど
うーん。確か、お父様が力のある子供は体を強く進化させるから魔物に襲われやすいって·····
まさか!こいつ、食う気?!!?!
私はオドオドし、絶望した顔をして竜を見る
「·····。そのドラゴンさんが私のような弱い子供に何の用ですか?食べても美味しくはないですよ?」
「何を勘違いしている?お前を食べたりなどしない。間違いなく人間は不味いに決まっている」
「食ったことはないんだ·····」
え?意外!てっきり食ったことあるのかと思ってた。というか不味いからヤダって結構、ドラゴンさんは美食家なんだ
うーん。まぁ、よく考えてみればそうか。ドラゴンて超絶強い生き物なわけだし。人など虫けら程度·····。それに魔物を倒した感じあれは美味しそうだった
「それもそうか魔物美味しそうだったし。完全にあれはスイーツよ」
するとドラゴンさんは私の発言を聞いてひいている
え?どうして引くの?え?引くとこある?えー····
「······お前。ドラゴンなのか?」
「は?いや、違う!単純にお菓子のような甘い匂いがしたから美味しそうだなって思っただけ」
「なんだ、そういう事か。てっきり食ったことがあるのかと思った」
「まぁ、食べたいとは思ったけど·····」
しばらくジト目でドラゴンさんは私をみた後、目線を外し、話の路線を戻す
「·····。まぁいい。それより俺はお前と従属の盟約を交わしたい」
「へ?なぜ私?」
「お前の力が俺を従属させるには十分だからだ」
普通におかしいでしょ?
頭は大人だけど体は子供(まさに例のアニメ)
間違いなく力は弱いし、魔力だって完全に解放もしてないし、魔法だってまだまだ未熟。剣術や体術、弓術だって見直すことは多い。それなのになぜ?
「いやいや!説明になっていない!一体、私のどの力がどのように作用してドラゴンさんを従属にする力があるのか詳しく教えて!」
「·······。お前は空間支配魔法と破壊魔法が使える。その力は人が持つには危険すぎる。その上、その力は年を取るにつれ増していく。その力を制御するには俺の力が必要だということだ。まぁ、孫が心配ということでもあるんだが·····」
なるほど。私は言わいる、特殊魔法の使い手。それも強力な魔法の
そういや、『容姿は親に似るが魔法や魔力は祖父母に似る』ということをエドワードから教えてもらったことがある
··········ん?
そういや、この人。私の事、孫って言わなかった?言ったよね?
「ん?いま、孫って言わなかった?」
「言った。お前の父は俺が惚れた女に産ませた子供だ。だから俺と容姿が似ている。父親もお前も」
······はぁ。なぜ、それを言わなかったわけ?重大事項じゃん!それを抜かすなんて!てっきり食われるもんかと思ったじゃん!
「··········。ねぇ、なんで重大なところを抜かしているわけ?いや、最初っから孫だからって言えばいいでしょ!!」
「分かるもんだと思ってた」
「はぁ?!馬鹿なの?ドラゴンなのに?というか思考、先行きすぎでしょ!」
「すまん」
「はぁ。まあいいです。それより、おじいちゃんの名前はなんなの?」
「バハムート」
ん?いま、とんでもない化け物の名前言ってなかった?確かバハムートは竜の王であり、絶対的王者。生物の頂点。世界をも壊す竜よね?
あれ?私、おかしい?あたりだよね?ね!?
も、もう一度聞いてみよう。きっと似た名前なんだよ。うん!そうだよ。そうに決まってる!
「ん?今なんて?」
「俺の名前はバハムートだ」
「はっ··········?はああぁぁーー!?!?!」
おじいちゃんは耳を手で
「っ!!??鼓膜が破れる·····」
「バ、バハムートってドラゴンの王様!世界をも破壊することが出来る神様みたいな化け物じゃん·····!」
「悪かったなぁ。強すぎて」
そういうって照れている。明らかに普段、見せる顔ではないはず。孫に褒められて喜んでる
うん。これは現実だ。私はこいつの孫だ
“神様、どうして私を化け物の孫にしてしまったのですか?!!(泣)”
「おじいちゃん。なんで人間なんかを孕ませちゃったのよ!そこは同じ竜族にしなさいな!」
「ばぁさんに惚れてしまった······」
そう言ってにやにや、照れている
うん。ダメだこれ
「はぁ。とりあえず分かった。血の盟約を結ぶよ。それでいいんでしょ?おじいちゃん」
「うむ」
おじいちゃんことバハムートことドラゴンさんは魔法を私にかけた
その魔法は私とおじいちゃんの魔力と微量の血を交換し、それぞれ取り込む。それだけ
特に痛いとは思わなかったし。なにより、暑いような寒いような心地がいいような悪いようななんとも言えない感覚だった
その後、家に帰って鏡を見た時に知ったんだけど。私の右目の虹彩がバハムートが描かれた紋章見たいのになっていた
(名前紹介)
美濃 葉雪→リゼル・シュラウド・アルディバラン
フランソリワ王国の騎士侯爵家の一人娘。事情があり、男として偽っている。容姿は黒い髪に赤い瞳の男の子風。バハムートの孫でもある
長文のため、誤字があった場合はTwitterの@hibiki_reikoに問い合わせしてください
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