ドングリをポケットに

かのこ

ドングリをポケットに

実家は山の麓にありました。そんな高くもない山で、誰の持ち物かもわからない。地元のお爺さんとかに聞けばわかったことなんでしょうけど、特に興味もなく。地元の子供達の遊び場で、勝手に入り込んで落ち葉をはいて秘密基地を作ったり、蔦を張って斜面を登ったり木に登ったり。

ドングリの木も多く、秋になると地面にびっしりと落ちていました。びっしりと地面にドングリが落ちていると、意外と踏むと転がって転びそうになります。危ない。

ドングリっていくつか種類がありますよね。調べたことないので詳しくないのですが。丸っこくて大きなものと細くて長いもの、あと小さくて丸っこいもの。実家近くの山には3種類のドングリがあったのですが、引っ越した今の近くのドングリスポットには細い縦長のドングリしかないのですよ。そんな転がりやすいドングリが急な坂道にびっしりと落ちていてとても危ない。油断しているとズズっと滑るのですごく焦ります。踏んだら滑っちゃうぐらい落ちているというのに、探しても探しても見つかるドングリは細長い物のみ。ちっちゃいのも大きいのも無いのです。細いのしか無いのですよ。私は特に大きいドングリを見つけたい。大きいドングリが私は欲しい。

大きいドングリは大きい分数が少ないのです。実家付近の山でも大量のドングリが収穫できるのにもかかわらず、大きなドングリはレアどんぐりで、虫食いのないきれいな大ドングリを見つけることができたら宝物箱に直行ものです。元よりレアドングリなものですから、地面にドングリが見えると大ドングリがないかと探してしまいます。そして自宅付近は見つけたことがない。由々しき事態です。

大ドングリはその希少性もさることながら、その活用も素晴らしいのです。油性ペンで顔を描けば可愛らしいドングリキャラが出来上がるのです。爪楊枝を刺せばちょいと回しにくいドングリ独楽もできるのですが、私の推しはドングリキャラを作ることです。チョチョイと描けば可愛いキャラクター。ちょいと表情を変えればまた新しいキャラクター。描いて並べて眺めればあっという間に癒し系ドングリの出来上がりです!

また秋ごろに実家に帰ることができたら、大ドングリをポケットいっぱいに見つけて工作に励みたいものです。

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