第2話
まず、私が幼稚園まで住んでいた、母親の母(祖母に当たる)の友人だったおばあちゃんのお寺。
そのお寺の境内に、よく近所の人が枇杷などの果物を盗みに来るので、誰かが来るとわかるようにと飼育していたらしい。
ただ、みんな短命だった。
ある犬は、番犬として、有能な子だったのに、棒で思い切り叩かれて殺されていたり、毒を盛られて亡くなる子もいた。
私の記憶で鮮明に残っているのは、リリーというメスの雑種犬の子供のムクムク。
可愛い子だったのだが、寒さで凍死してしまった。
母親のリリーも、その後大人しい子だったのに、殺されてしまった。
そして、何より有能な番犬の柴犬の雑種犬のオスのロッキー。
この子は、ひどい殺され方をしていた。
実は、この子は、私にも牙を向くほどの猛犬だったのだが、毒を盛られて且つ、叩かれて頭が陥没していたと、父親から生前聞かされた。
私がこの衝撃事実を聞いたのは、中学時代ではあったが、これ程人間の醜さを感じさせられた話はなかった。
その後、おばあちゃんが亡くなってから、手伝いに来ていたお坊さんが土地を勝手に売ったことで、私達も追い出され、その7年後に、地蔵も何もかも壊されてた。
その後、ご近所さんたち、関係者に不幸が続いたのは、また別の話。
それからしばらくは、飼うこともなかった。
まだそのお寺にいた頃は何匹か、いたそうだ。
私の記憶にはなかったけれど。
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