第3話

そして、お寺から出て、住んだ家に移ってから、最初に飼った犬が、姉が学校に行く時に拾ってきた。


今では、私に迷惑をかけ放題で、絶縁宣言して、消え去ってしまったほどのアホ姉だが。


まだ、犬を拾って育てようと思えたほど、少しは純粋だったのだろう。


きっと、柴犬の雑種で、白足袋模様のあった女の子だった。

その、女の子に、母親は色んな音に反応して、遠吠えしたので、歌が上手だからとジュリーと付けた。


なんで男の名前?と思ったが、母の言葉はほぼ確定されてしまう謎のルールがあったため、ジュリーとなった。


この子は、兎に角人懐っこく、私達家族だけでなく、よその家の人にまで、体全部使って大喜びする、何とも不思議な犬だった。


小学生低学年の私にも、懐いてくれ、お散歩も一緒に、私に合わせてくれた。


体が弱かった私は余り外では遊べなかったが、ジュリーが一緒なら、頑張って外に出た。


近所の人に、酷い目に合わされそうになっても、いつも尻尾振ってた。

私は、人がもうこの時には信じられなかったので、この子が体当たりで、私に色々教えてくれていたんだと思う。


この子は、まだ生後2ヶ月位の頃に捨てられて居た。それから16年一緒に暮らした。


その間にも、姉が大学に行くと、私を中学卒業と同時に働かせると、バイト先の店と勝手に契約をし、家を出て、中退して結婚、出産し、子供の面倒を長期休暇になると、我が家に送り込んでた。


ジュリーが亡くなった時、私も成人して、働いて家事もして、夜遅くに鳴いたら、父と一緒に、様子を見て、宥める生活を送っていた。


亡くなった日は、父が付き添っていた。

すごく、辛かったんだと思う。おっぱいが熱持って腫れていたので、乳がんだったのかなと、今なら思える。けれど、昔ながらの育て方をしていた両親は、病院に連れては行かなかった。


ちなみに、この子は、出産経験はなかった。

そして、私のことをとても大きな愛で包んでくれた。

この子のおかげで、私もイジメや希死念慮から救ってくれたと思っている。


16年間もホントに子供だった私達にも、家族、仲間を、教えてくれたと今でも信じている。

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