第59話 弱点
「エロ男がんばれ!」
茶髪ツインテのちゃーちゃん。俺を応援してくれるの?
「エロ様、エロ魔王はあなたと同じぐらいエロいわ! がんばって戦って!」
ヴァンパイア黒髪ポニテのヴァンピちゃん。それ、褒めてるの? 応援してんの?
「変態士、魔王様に攻撃を当てることは非常に難しい。油断しないで」
半竜のリュリュちゃん。変態士って、そんな名前の職業は存在しないからな。そこんとこよろしく。
「ねえ、アメルメくん。ほらぁ、攻撃してくれてもいいよ。私の胸」
って、魔王! また自分で自分の胸をもんでやがる。うわー、たまんないぞおおおお! 俺にももませろ! おのれ魔王! 女装できるからって好き勝手しやがる。
「なあ、俺のことアメルメって呼んでくれて嬉しいけど。俺はお
だめだ。『魔王』も、『お前』も『でもまぁいっかめんどくさい』に、自動的に変換されて発してしまう。これは、もはや呪いではないか! しかも、声に出すたびに、俺のやる気が減っていく。これは、状態異常だ。
【状態】やる気低下。やる気20パーセント。
できることは、できるうちにやるしかない。『弓の軌道補正』だってあるんだ。当たれば麻痺付与、50パーセントの確率。魔王の名前を呼ばなければいいのなら。男は黙って、射るだけ。
「私のこと、むかついてる?」
「ん?」
「私のこと嫌い?」
かわいい顔して言われても。
「そ、そりゃむかつく」
「胸が小さいから?」
「へ?」
聞き間違いじゃないか?
マオマオ魔王ちゃん。ちょ、ほほを赤らめて両腕で胸をはさみこんだ。も、もう十分大きいのに、そんな悲し気な顔すんなよ! 泣いてる? きりっとにらんで泣いてる!
誰だ泣かせた奴は! はっ。俺か。く、このままではマオマオ魔王ちゃんの思うつぼだぞ。あいつの胸ばっか見てないで、裏ステを見るか。
ペラリ。
【弱 点】 砂糖
どうして、もっと早くに見なかったんだろうな、俺。
「くくくっはははははははははははは!」
「クランさん! その笑い声。まるで、
ズーン。
それ以上コウタは、めんどくさくなって追及して来なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます