第25話 鋭爪竜
「えー、
「はーい!」
「さすがステフ。コウタ、お前はどう思う?」
「え? それっておかしいことなんですか? どう見てもふつうのドラゴンだと思いますけど。むしろ小さくて倒すのは楽そうです」
体長一メートル前後で、人と同じぐらいの大きさ。腕も人と同じぐらいの太さだが、その名の通り熊よりも鋭い爪を持つ。
三匹が、空中でホバリングして眠っている。羽は音が小刻みでハチドリみたいに早く目で追えない。
「あれが地下三階にいるのは、あっちの蒸し暑さが好きだからだ。それなのに、地下一階まで上がってきてる」
地面を鑑定してみる。
スィン。
地面にもステータス画面が現れる。
【状 態】 地熱
ペラリ。
裏ステータス
過去……温度上昇中
人のステータスと違って簡略に記載される。
「どうしますクランさん? ドラゴン、まだ寝てますよ」
「いや、寝てても、こいつらよけるからな」
こちらの声は丸聞こえだ。眠っていても。
通常の
奴らの動きは、とにかく早い。その速さに追いつくには耳を切り落として、方向感覚を鈍らせるしかない。
それを斬れば、飛ぶことすらままならなくなるのだ。まあ、弱点は見るまでもないけど。
ステータスを確認するのは、
【種 族】
【レベル】 600
【体 力】 900
【攻撃力】 700
【防御力】 600
【魔 力】 300
【速 さ】 1700
【固有スキル】なし
裏ステータス
【魔 法】 なし
【特 技】
【弱 点】 耳のつけ根 催眠魔法、首
深層心理……永眠したい。
願望……眠い。見てんじゃねぇよ。見世物じゃねぇよごらぁ。むにゃむにゃ。
過去……いつまでさかのぼりますか? 年数を選択して下さい。
「深層心理、永眠したいか。そのまま死んでくれるってんなら、助かるんだけどな」
「え、クランさん。やっぱり会話できるんですよね? でも起きちゃいましたよ」
「余裕かましてるドラゴンってのは、嫌いだな。お前らは今日、俺たちの胃袋の中に納まるんだ。さぁ、料理しようか」
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