第11話後輩が女子高生に懐くってどうよ!?

緑祥寺は金瀬に慰められて以降金瀬に懐き、俺のマンションに通い始めた。金瀬に頬擦りしたり頭を撫でてもらいたいがために──といった風に社会人の後輩が女子高生を慕っている構図をみせられている俺だった。


後輩が入り浸るようになって、女性の溜まり場とかしてきた俺の住処。

平日休日お構いなしに後輩が訪れるようになり、睡眠の質が低下しており、気も休まらない。

後輩が言うには、6:2:2の割合で金瀬に会うのを目的に入り浸っているとのこと。


はぁー、とため息が自然に漏れることが多くなった今日この頃。


「金瀬ちゃん、今日のおやつは何が良いかな?私が買ってくるから一緒に食べようね」

「は、はいぃ......」

後輩が気に入られようと満面の笑みを浮かべ、金瀬を甘やかしていたのだが当の本人──金瀬は若干引いており、返事も申し訳ないといった感じで返していた。

俺ら兄妹に、そのようなことを訊ねようとしないことに納得いかない。

「あのー緑祥寺、緑祥寺さぁ~ん。俺ら兄妹にはないのかな?おやつは」

「はぁ~いぃ?そ、そうですね......もちろんありますよ、先輩方の分も」

今の間と慌てっぷりは、思った通り金瀬と後輩の二人分だけのようだ。

「夏美、二人で豪勢な食事でもと思っているけど行くか?」

「行く行くぅ~!太っ腹ですなぁ~さぁさぁ今すぐ出発だよっ!」

隣のダイニングチェアに腰掛け、無言で居た夏美を食事に誘うとはしゃぎだし、腕を引っ張り玄関へと駆け出した。

夏美に手を引かれ、玄関で靴に履き替えていると、慌てた様子で後輩が追い掛けてきてすぐさま謝罪をしてきた。

「先輩、ごめんなさい。本当にごめんなさいぃっ!私が悪かったです、今後このようなことは致しませんのでどうかっ、どうか私たちもっ──」

「分かったよ、今日は許すけど二度目はないからね。後、さっきの態度を取った場合は今後出禁にするから」

「......ぅぅぅ、ごめんなさい。先輩、それだけは勘弁し──」

「破らなければ良いだけのことだよ、守れるの?緑祥寺」

「ぅぅっ、は、はいぃ......」

か細い声で返事をした後輩に靴を履き替えるように促し、全員で出掛けることになった。

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