第2話 陽気総合病院
普通の生活ができたのは、小学校低学年までだった。知能は他の子供達と変わらないのに、見た目の成長がどうも遅いので、身長が伸びるのもゆっくりだし、運動能力も体の大きさに合っただけしかなかった。
この街には、普通の人間が通う病院の他に、『
昔から魔女や魔法使いが比較的多い地域だったので、この病院の存在は皆が知っていた。
皆に認知されているようで内情はそうでもなく、
「ここに通う者は恐ろしい魔法を使うから近寄ってはいけない」
だとか、
「普通の人間ではない者が通っているから関わるな」
だとか、変な噂ばかりが一人歩きをして、いい気分にはならない。
親の一人が魔法使いであるならば、そんな扱いの対処法も教えてもらえるのだろうが、私は両親ともに普通の人間だ。突然変異のようなもので、家族で私だけが魔女になってしまったものだから、魔女としての生き方や周りの目のかわし方などは自力で学ぶしかなかった。
身体の成長だけが遅い私を、まさかと思いながらも両親は『陽気総合病院』へ連れて行き、そこで初めて、私は普通の人間ではないことを告げられたのだ。小学校2年生の冬だった。
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