《立ち読み期間》清水くんは宮野さんよりもちょっと可愛いです
ちとせ そら
清水くんは宮野さんよりもちょっと可愛いです
今年のコミケには行けそうにないです
「はぁ、
スマホの
そしてすぐさま私はネッ友が集まっているグループメールを開き
『ごめんなさい。今年のコミケは行けそうにないです(;_:)』
すぐに1つ既読が付き、返信が返ってくる。
『そうですか、まだ一回しか会っていないのに。残念です』
返信をくれたのは、かっこいい赤髪が特徴のイケメンキャラがアイコンの、水野さん(本名)だ。
このグループは、去年のコミケで意気投合した私含め3人の女子達で作られたもので、平均年齢は17歳と、みんながJKだ。
『寂しいね。宮野さん、楽しみにしてたもんね』
可愛い口調が特徴の薫さんが返信をくれた。コミケの話題は絶え間なく続いていたから、今年いけなくなったのは本当に残念だ。
『そういえばなんだけどさ、ちょっとこの画像見てほしいんだよね』
水野さんはそう言うと、数枚の画像を送信してきた。ぱっと見た感じ、女性のコスプレイヤーに見える。
その人は、様々な人気アニメキャラクターから、コアなアニメキャラクターのコスプレをしていて、とてもかわいい。
「この人は?」
『この前私がネットサーフィンしてた時に見つけたやつでさ、この人のフォロワー、まだ100人程度なんだよ』
『えぇ、そんなにかわいい人が』
「新発見の化石だね! で、この人がどうしたの?」
『そう! この新発見の化石なんだけどね、去年のコミケにもいたっぽいの。ほら、この画像見て』
そういわれて送られてきた画像は、どこか見覚えのある画像だった。
「これって?」
『さっきの新発見の人だね。どうしたの?』
『見覚えあるかもしれないのもそのはず。だってこれ、去年私が撮った写真だからね!』
水野さんが自慢げに話していることが伝わってくる。
『すごいね水野さん!』
「もしかしてこれ……」
『どうしたの、宮野さん』
もしかして。そう思い私は過去のフォルダを探し出した。そして見つけた。
「この人、私もとってたわ!」
『本当に? 宮野さんもすごいねぇ』
『薫さんは撮ってた?』
『確認したけどなかったよ』
「どんまい、薫さん。で、水野さん。その画像どこで見つけたの?」
『一週間前にツイッターでね。たまたま見つけたんだよ。まさか、去年この目で見ていたなんて。自分の記憶脳を恨みたい……』
即座に私はツイッターを開く。
「水野さん、その人のツイッター名ってなに?」
『確か、”カメレオン”だった気がする』
かーめーれーおーん。あった!
「水野さん、アイコンが
画面をスクショして送ると、そうだよと返信が来たので見てみる。
「へぇ、同い年なんだ」
『えぇ意外! まぁ確かにかわいいからねぇ』
その他私との共通点がいくつかあって驚いた
まずは誕生日が12月24日と同じで、好きなものが同じくプリン! そして一番驚いたのが……
「私と出身地一緒やないかい! しかも前にフォローしてて話してたっぽいし」
『たしかぁ、宮野さんって出身静岡だっけ』
『それよりも宮野さん。話してたって何ですか!』
話した記録があっただけで内容はまだだったので見てみた。
『宮野さん、どんな会話してたの?』
「別にたいした会話はしてなかったよ。それよりもさ、水野さんと薫さん明後日コミケでしょ。早寝は大事だよ! 私もう寝るから、おやすみ~」
慌てて電気を消して布団にもぐってツイッターの画面を見つめる。
”別に今日はそんなに早く寝なくても大丈夫だよ(笑)”とグループからの通知が表示される。薫さんだろうか。そのあとにおやすみと二件通知が来て、画面は静止画のように静かになった。
私はカメレオンとのメッセージのやり取りをもう一度確認する。メッセージの一部にはこんなやり取りがされていた。
カメレオン”宮野さんも静岡住みなんですか、びっくりです!”
わたし”こんなかわいいコスプレイヤーが身近にいるってなると、会ってみたくなるものですね笑”
カメレオン”なんかうれしいです( ´∀` ) せっかくの縁ですし、今度機会があったら会いませんか?”
わたし”えええええええええええええええええええええええええええええええ?! いいんですか? え、ぜひぜひ!”
カメレオン”じゃあ、再来週のこの日とかはどうですか?”
わたし”わかりました! この日ですね! で、集合場所は……”
「なんてことを! 私はこんなかわいい子と明後日会うことになっていたのか!」
たしかその日テンションが上がっていて、会う約束の日にちがコミケの日だという事を確認していなかったことを思い出す。
私が明後日のコミケにいけない理由は他にあったのだが、まさかの事実に状況が読み込めない。メッセージで思い出した、カメレオン、この人は前違うアイコンで違う名前のアカウントだったことに。
そして、久々にツイッターを開いた私は、「誰だこの人」となってしまい、それっきり無視していた。水野さんが言ってくれなかったら今も忘れていたのだろう。
「ありがとう、水野さん」
私は水野さんの住む群馬県の方角に寝ながらお辞儀をした。
ところで、なぜカメレオンのツイッターをフォローしていたかわ置いといて、カメレオンだ。私はカメレオンの前のアカウント名を知っている。
”
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