俺と魔剣(あいつ)の冒険譚
アスラ
第1話 森での出来事
「ま、こんなもんか。」
陽が真上を過ぎて
ここはマルゴの町から徒歩で一刻半程のガルブの森の
離れたところで鳥が一斉に羽ばたいた。地に響く音が微かに聞こえ、すぐに周囲の音が消え、空気が変わった。
この場から離れるかどうか迷ったが、この辺りで昼間出るのは
だんだんと近付く地響きの大きさが予想よりも大きいことに胸騒ぎを感じながら、両足に魔力を込め、進路に被らぬよう少し離れた木に跳び上がった。
さして間を置かず、先程まで俺が居た場所に荷車程もあろうかという大きさの
俺はその大きさに驚いたが、相手が大きいとはいえ、狩れないわけではない。
気を取り直し魔力を練ると、土と水の複合魔法『
こうやって相手の動きを止めて仕留めるのが、俺の狩りの
足止めに成功し、これで止めを刺せると木を降りようとした時、一度は固まった土がひび割れ、弾けるように砕け散った。
「嘘だろ。」
ほんの僅かしか止められなかったことで、思わず口をついて出た声に、
このままだと木から放り出されバランスを崩すか、着地の瞬間を狙われるだろう。出来れば安全に仕留めたかったがしょうがない。
急いで魔力を練り直すと、『
その隙に上空から首筋に剣を突き刺した。
木を蹴った勢いも手伝って、剣は半ばまで埋まり、暫くもがいた
少し離れたところで何時でも跳べるよう構えていたが、完全に事切れた様子にゆっくりと近付いて仕留めたことを確認した。
その後、血抜きのために刺さった剣を抜こうと力を込めたところ、パキッと可愛らしい音を立てて剣が折れた。
「うわ、最悪。でもしょうがないか。結構無茶な使い方してるしな。」
たいして高くもない剣だ。どのみち近いうちに折れただろう。
半刻程待って漸く血抜きが終わった。あとは
『
おそらく暗くなるまでには町に着くだろう。
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