第295話 親父の魚

親父は死んだら魚になりたいと言っていた。


四十九日が終わった頃。

夜の堤防を散歩していると足元に青い手が落ちていてぎょっとしたが、すぐ拍子抜けする。ただのゴム手袋だ。


だが…これは親父のじゃないか?

そう凝視していると手袋は大きく跳ねて海に落ち、そのまま泳いで消えていった。

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