第279話 花見人見

楽しい花見に横槍を入れたのは同僚の叫び声だった。

何かに酷く怯えた様子で腰を抜かしている。


毛虫でもいたのか?

そう茶化すと同僚は「幹に目が付いてる」と言った。


彼は酒を飲めないので素面だ。

幹を見るとぱっちりとした目があった。


――人が花見をするように、桜も人見をするのか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る