第204話 鬼じゃない
気がつくと私が『鬼』として世間に紹介されていた。
どういうことだろう。
私は人間だ。
先生を殺し、
私の兄を殺し、
恋した者を殺し、
裏切った男を殺し、
愛していた親を殺し、
神に祈る者を殺し、
恨んだ女を殺し、
私の娘を殺し、
息子を殺し、
最後に自分を殺しはしたが――
私は人間だ。
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