第193話 蝉の翅

ある日、背中に違和感を感じて鏡で見てみると蝉の翅が生えていた。

人間サイズではなく蝉のサイズで、皮膚と直接繋がっており引っ張ると痛い。

そして夏の終わりと共に自然と落ちた。


恐ろしいのは生えている間は翅に対する恐怖心が一切なかったことだ。


今は落ちた翅すら恐ろしくて仕方ない。

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