怪奇短篇書架 〜呟怖〜

第191話 冷蔵庫を渡り歩く

冷蔵庫が開かれる。

妹の顔が驚愕に染まった。

冷蔵庫が開かれる。

友人が青白い顔になっていた。

私が見るのは彼女らの生首――ではない。

生首なのは私だ。

冷蔵庫に入っているのも私だ。

転んで冷蔵庫に突っ込んでから何ヶ月も首だけ冷蔵庫を渡り歩いている。

体は今どうしているのだろうか。