第122話 七夕の記憶

戸棚を整理していると姉が中学の頃に書いた短冊が出てきたので、微笑ましい気持ちで願い事を確認する。


短冊には『妹がほしい』とあった。


両親は困ったろうなと考えていると――そういえば中学以前の記憶がないことに思い当たる。


私の記憶は突然始まっていた。

ある年の夏、七夕の日から。

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