怪奇短篇書架 〜呟怖〜

縁代まと

第1話 おおい、元気か。

昭和43年頃だったでしょうか。


降り注ぐ雨が黒く見えるようなそんな日に、必ず我が家の玄関に誰かが来て「おおい、元気か」と言うんです。出ても誰もいません。

ある日これは雨の夜に死んだ父ではないか、と感じて「元気ですよ」と返すと訪問者はいなくなりました。


今は部屋の中におります。

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