140字SS
kara
第1話 妖
「切ない、切ない」と彼女が言っている。
「どうしたの?」と聞くと
「あなたを食べてしまいたいほど好きだけど、そうしたらあなたはいなくなってしまう」と悲しげに答えた。
僕は何も言えずただその横顔を見つめるだけだった。彼女はまた月を見つめながら涙をこぼしていた。
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