勇者パーティを追放と思いきやちょっと違うようです

@jackbot

第1話 脱退

「なぁ、申し訳ないがパーティをやめて欲しいんだ」


そう俺に告げたのはパーティのリーダーであり勇者のジャック


「なっ、き、急にどうしたんだよ・・・」


「・・・」


狼狽える俺に黙るジャック


「やめて欲しいって、このパーティは俺とお前の2人で立ち上げた・・・」


「本当にすまないと思っている・・・」


そう言ってただ頭を下げる勇者ジャック


このパーティはジャックが5年前、15歳の時に勇者の素質を見出され、同い年で親友だった鍛冶見習いの俺が補助として組んだ物だ


そこに旅の途中で出会った攻撃魔法使いのレナ、後方支援魔法使いのアヤカ、前衛で敵の攻撃を受ける盾の役割を担っていたリクの5人パーティだ


皆、勇者のパーティに入る位だからすごい能力の持ち主だ


鍛冶師のボット、つまり俺を除いて・・・


「た、確かに俺はみんなに比べたら足手まといかもしれないが・・・」


俺がそういうとジャックはガバッと顔を上げる


「そんなことないぞ!?ボットはパーティを組んでから誰よりも努力して、今や俺やパーティの武器の鍛冶・修理は勿論、その他雑用も自分から引き受けてくれて・・・本当にボットがいなきゃこのパーティは成り立たなかった・・・」


そう言ってまた頭を下げるジャック


「それなら、どうし・・・あっ、もしかしてパーティに好きな人でもできたか?俺はお前と恋争うつもりはないし、気にしなくても・・・」


実は俺はレナが好きだった


でも仮にジャックがレナが好きなのなら心の中では泣いても応援するつもりだし、パーティ内にはアヤカもいるからジャックの好きな人がアヤカの可能性も十分考えられる


2人とも系統は違うがかわいいと綺麗で国民からも人気がある


「いや、恋などはしてないよ。俺はパーティのみんなが好きだ・・・。かけがえのない仲間。これまで過ごした時間は財産だ・・・」


どうやら恋でもないらしい


「ならどうして俺だけがクビに・・・」


俺がそういうとジャックは首をかしげる


「ん?ボットだけじゃない、全員だ」


「は?」


「レナ、アヤカ、リクにも勿論伝えた。俺が勇者職をやめる。『勇者ジャックボット』という名前だからな・・・俺がいなければパーティは成り立たないから・・・だからこうやって皆にパーティをやめる様お願いして了承をもらってる。ボットだけはこの後のやりたい事の手伝いも頼もうか最後まで迷ったんだが・・・一人でどこまでいけるか試したくなった」


そう言って俯いてたジャックは顔を上げた

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