白い彼岸花

アニアン

第0章「プロローグ」

俺の名前はソウタ。幽霊である。

どこで死んだが頓と見当がつかぬ。何でも何かを探していたことだけは記憶している。気が付いたいときは、空を飛んでいた。青く澄み渡った無限に広がる空間。

手を伸ばせば雲を掴める。渡り鳥と並行に飛べる。遠くの見たことのない山が見える。俺は死んだんだ。

すぐにわかった。だって、俺の膝から下が無いから。

俺は幽霊になった。なのになんで天国や地獄に行っていないんだ。

けれどちょうどいい。これなら探し物が見つけられる。

どこにでも行けれる。

そう思った。

けれど、とある病院から動けない。まるで鎖の首輪で繋がれているように。

病院の周りを飛ぶことしかできない。

なんで・・・・なんでなんだよ

早く見つけないと妹が・・・・

妹・・?

妹って誰だ?

名前が思い出せない。

俺は一体何を探していたんだ。


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