ずっと変わらない日々に飽きて来た時、異世界に来ないか誘われた
みけねこ
Ⅰ 異世界に来たら?
「……っとも~!!」
(あーもーほんっとやだなぁーほんっとどいつもこいつも――)
頭の中でブツブツ言いながら、私は家路を歩いていた。
私は真希。中学1年生になったばかりの12歳。
友達とLINEしたり、メルアド交換してメールしたり、ゲームしたり、
色々したいのに何故か親にパソコン・スマホ・ケータイ等を使わせて
くれないから、友達と付き合いにくくてクラスでも浮いている。
それに何故かテレビも観せてくれない。
小学校1年生の時に周りの子2~3人にその話をしたら「何で~?」「え~!テレビ観てないの?」「変なの~」などと言われ、聞かれるまでその話
はしなくなった。
2年生の時は友達にゲームやテレビの話をされた時にはぐらかしていたら、
「何ではぐらかすのよ」と言われその話をしたところ、「ふーん」と
言われ、その日から態度が冷たくなった。
3年生の時は今までの経験に懲りて、新しい友達を作らなかった。
4年生の時にすごく気が合いそうな子と同じクラスになって、
(今までの事・経験をすっかり全部忘れて)最初から
その話をして仲良くなった。けれどやっぱりテレビ・ゲーム等を観て
いないと話が合わなくて、2学期からぱったり付き合いが途絶えた。
5・6年生ではクラス替えで趣味が合いそうな子と一緒になっても、友達を
作ろうという気さえ起こらなかった。
そして今、中学1年生。そんな経験がある私は友達なんて
変わり者の私がつくれる訳ないし、友達をつくる必要がないし、いつかバラバラになるんだからもうどうでもいいと思って一人でいる。けど……
「はぁー」
ため息をついて、苦い思い出と暗い考えを
やっぱり一緒に帰ったり、おしゃべりしたりする友達がいないのは寂しい。
けど、大体の友達とは話が合わない。
「はぁー」
2度目の大きなため息をついて、前を見ると。
ブロック塀に耳が少しとんがっていて、黒ずくめの服を着ている男の子が座っていた。
「何やってんの?危ないから、降りなよ」
私が言うと、男の子は言った。
「なあ、お前、この世界に飽き飽きしてるだろ」
普通に話しかけられたし、見た目に似合わない(中学生っぽい)喋り方だったのでびっくりして思わず言った。
「へ…?」
「異世界、来るか?」
「え……?」
えっと、それは、つまり…
「えええっ!?」
私の頭が全てを理解した瞬間、私は叫び声を上げていた。
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